木曜日、週刊少年チャンピオンを読み始める時というのは、ページをめくる手が震えるかのようなドキドキ感を味わっています。
大袈裟かもしれませんが、本当にそのくらい、弱虫ペダルが楽しみでなりません(≧Д≦)
今週も期待を裏切ることない熱い展開に涙です!
というわけで、さっそくですが、内容と感想に入らせて頂きます
本誌未読の方はネタバレにご注意ください
先週最後、鳴子に対して今泉が言った台詞。
「前に言ってただろう。燃えてるんじゃなかったのか。おまえは。300℃くらいに」
これは、今年の合宿時、古賀が鳴子かけた言葉を受けての台詞でした。
合宿でインハイ出場を賭け、手嶋と闘うも敗れた古賀。
古賀は勝敗が決した直後、二人の闘いを見守っていたメンバー達と一緒に走りながら、それぞれに言葉をかけていきました。
鳴子に対しては「鳴子、おまえは今年も俺たちを驚かそうと新商品を開発してるそうじゃないか」でした。
その時の鳴子の答えが「カッカッカ。ヨユーすわヨユー‼ 沸かせてみせますわ。今年の夏も。300℃くらいに‼」だったのです。
この時、会話を聞いていた今泉は「そら、おまえも燃え死ぬな。さようなら」なんて事を言います。
鳴子は「アホか。ワイの体は鉄よりかたいちゅーねん。大丈夫や」と言い返していました。
鳴子は、そんな合宿中の会話を思い出します。
左手はハンドルから離れ、だらんと落ちたままですが、今泉に支えられ、一度はなくした意識を取り戻せた鳴子。
鳴子(合宿の時のくだらん会話やないか…そんな懐かしいもん持ち出して…ボケスカシ)
今泉「どうした、鳴子。おまえの体は鉄よりかたいんじゃなかったのか」
鳴子(憶えとったんかい、ボケスカシ)
鳴子「ああ…まっとけや…せかすなスカシ。さっき280℃に達した…とこや…」
ハッ、ハッと荒い息です。
鳴子「もう間もなくや……もうすぐ…」
短く息を切りながら、だらりと下っていた左手を持ち上げます。
ぐっと左手を引き上げ、がっしっとハンドルを握った鳴子。
鳴子「あがるわ、300℃まで‼」
声をあげ、前を向きます。
サドルが捨てられている車体の、フレーム部分に座っている状態です。
まずはハンドルを握り、前は向けた鳴子。
そんな鳴子の体を、隣の今泉が腕をまわしてしっかり支えています。
今泉「おまえの情けないフラつきのせいで、前との差がまた広がった。50mまで詰めていたのが、今は120mくらいにまで離されてる」
鳴子を支えながら声をかける今泉。
その様子を後ろから小野田が見つめています。
小野田(今泉くん、口では冷たいことを言ってるけど、手はしっかりと鳴子くんを支えてる。倒れないように‼ 鼓舞してるんだ。鳴子くんを‼)
今泉「おまえが引いて、オレたちを先頭に連れてくんじゃなかったのか。“特急”じゃなかったのか」
鳴子「カッカッカ。単線区間で今のはたまたま…下りの特急待ちしとっただけや。みくびるなよ…鳴子特急を‼」
バンと、今泉の手を離れ、飛び出す鳴子。
鳴子「鳴子特急は有言実行‼ 赤い車体に世界一正確なダイヤや‼ 世予定通り、キッチリ目的地まで運行するんじゃ‼」
そう言って飛び出したものの、鳴子の体はもう限界かのように、ハンドルを握る手も、ペダルをまわす脚もブルブル震えています。
鳴子「最…速で」
震える体で、ハッ、ハッと息をつく鳴子の様子を後ろから目の当たりにした今泉。
一瞬目を見開きますが、すぐに歯を食いしばって表情を戻します。
バアッと大きく腕を振り上げる今泉。
鳴子の背中にバァンと手を置きます。
今泉「鳴子章吉‼」
鳴子の背中に置かれた今泉の手からは、ジンジンと、まるで言葉以上のものが伝わっていくかのような様子です。
今泉を振り返る鳴子。
今泉「男、鳴子章吉‼ オレの知ってる鳴子章吉は、どんな時も、どんな困難も、はねのけ、まっすぐに進む強い男だ‼ 果たせ……‼ おまえの‼ おまえが決めた」
今泉は鳴子の背中に添えていた手をぎゅっと握って拳を作ります。
今泉「最後の役割を‼」
“最後の”と言いきった今泉の言葉を受け止める鳴子と小野田。
背中を叩かれ、一瞬今泉を振り返っていた鳴子ですが、俯き加減に視線を逸らします。
鳴子「カッカッカ。わかっとるやないか、スカシ」
鳴子は再び今泉を振り返ります。
鳴子「ありがとうや、うけとったわ。おまえの“根性注入”」
鳴子の言葉にはっとする今泉と小野田。
小野田(鳴子くんを助ける今泉くんを初めて見た。鳴子くんから今泉くんに、ありがとうって言葉、初めて聞いた。変わっていってる。水に広がってぶつかる波紋のように。ボクはさっきまで、鳴子くんが飛び出しちゃダメだって思ってた。これ以上進まないで__て。せっかくここまで3人で来れたのに。もう少しで約束が果たせそうなのにって。巻島さんが夢を見ろって言ってくれたのに…て。このまま鳴子くんが休んでくれれば、3人でゴールが、もしかして出来るんじゃないか__て。でも、違うんだ。それはもう違う)
ハンドルを握りしめ、前を向く小野田。
ゴッとプレッシャーが上がります。
小野田(形は変わる。刻一刻と、形は変わっていく。6人全員でゴールしたいけど、できないのと同じように。もう3人でのゴールはできない‼ きっと巻島さんが言っていた事は、「夢」を見て、夢の想いを受け継いで、新しい「道」を進み、拓く力に変えろってことなんだ‼」
小野田「鳴子くん‼」
小野田は叫び、前へとあがってきます。
小野田「大変だと思う。すごく大変だと思う。でも、あの、お願いします。本当に。だから送らせて‼ ボクからも」
ばっと拳を振り上げる小野田。
小野田(鳴子くん‼)「力いっぱいの根性注入を‼」
ドゴンと、鳴子の背に拳をいれる小野田。
きりっと眉をあげ、歯をくいしばり、力強い眼差しを鳴子へ向けます。
不安そうな、泣き出しそうな顔ばかりだった小野田はもういません。
そんな小野田の顔をはっと見つめる鳴子。
ふっと口元が緩みます。
鳴子「ありがとうやで。小野田くん。スカシ」「カッカッカ、今__300℃になったわ」
鳴子「うおおおおら‼」
掛け声とともにドンと加速を始める鳴子。
走りを見た沿道の観客が沸きます。
「前を追う総北‼」
「すげぇ追い上げだ、総北‼」
「速ええ」
「ヤベェ、本気の走り‼」
「見ろ‼ あいつのバイク、サドルがねェ‼」
「総北の赤い男鳴子、サドル外しダンシングだ‼」
「すげぇ‼」
観客の声の中、鳴子は息を切らしつつも、猛スピードで突き進みます。
今泉(鳴子‼)
小野田(鳴子くん‼)
鳴子(伝わってくるわ、ビシビシ、二人の想いが。ヤバイわ。めっちゃ背中押す。キツイのに、もうすぐ限界やいうのに。めっちゃパワーでるわ‼)
渾身の力で進む鳴子。
その前方には、目を見開き驚く御堂筋の姿が現れました。
観客の大声援に包まれて、鳴子がとうとう、御堂筋に追いつきます!
御堂筋「ナルゥ…コ‼」
鳴子「御堂筋……。来たわ。おまえが言うてた…余計なもん捨てないうヤツ実行して‼ 捨てたわ。ボトルも…サドルも……ゴールする事も…‼」
ボタボタと汗を流しながら、鳴子は続けます。
鳴子「いろんなもん捨てて走って!捨てて…最後に残ったんは__おまえが“一番最初に捨てろ”いうた友情やったわ‼」
きっぱり言いのけ御堂筋に顔をむける鳴子。
目を見開き硬直する御堂筋。
ワアアと沸きあがる会場
「総北、この登りで、先頭京伏に追いついた‼」
『◎総北、ついに御堂筋に並ぶ……‼ 鳴子を奮い立たせたのは、仲間との絆‼』
………涙です(T-T) ブログを書きながらもポロリと来ました(ノД`)
ボロボロで、それでも飛び出す鳴子ですが、やはりもう無理なのか、限界なのかと思わせる様子。
最後の力が出せない鳴子に、辛さをかみ殺して根性注入する今泉と小野田。
ひとつひとつの動きや言葉、表情に読んでいて胸が締め付けられます。本当に泣けてきます
そして最後の鳴子の言葉「最後に残ったんは__友情やったわ‼」でボワッてまた涙です
鳴子、かっこいいぃ!!!
今年もしっかり会場を沸かせて、自分の決めた最後の役割を全うして。
男の中の男だと賛辞を送りたいです。
一度は意識が途切れてますからね。
そこからの大逆転。
救ったのは仲間で、力をくれたのも仲間。
これぞ少年漫画と言える熱い熱い展開、言葉の数々。
弱虫ペダル、本当に大好きだなって思います
今週、前半は今鳴な展開で萌えていたのですが、いや、過去形を使ってしまいましたが、現在進行形で今鳴はとても萌えるのですが。
さすがの私も、あまりに鳴子がかっこよくて、そして総北三人の絆が深くて熱くて。
最終的には腐った思考を挟む余地がない程に、ただ感極まりながら読んでいました
鳴子、まだ倒れないで欲しいけれど、とりあえず今は、心の底からお疲れ様!と思います。