どんより曇り空ですが、今日は木曜、週刊少年チャンピオンの発売日気持ちはだけ日本晴れだったのですが……
何故に逆接なのかを語り出すと止まらないので。
先ずは今週の弱虫ペダル、内容と感想に入らせて頂きます
本誌未読の方はネタバレにご注意ください
御堂筋(捕食ゥ‼ 捕食した‼ 抜き去った‼ 箱根学園(ハエ)も総北(ベンジョバエ)も。予定通り‼ この下りで)
先頭に躍り出た御堂筋の姿と、『先頭の5人をごぼう抜き‼ この男、止まらない…‼』という文字で今週の弱虫ペダルはスタートです
小野田「抜かれた‼ 京都伏見…御堂筋くんに‼」(鳴子くんが道路のギャップではねて、一瞬ボクらが足をゆるめた、その瞬間を見のがさずに‼)
御堂筋「警戒心、緊張感、全身の、ありとあらゆる神経を研ぎ澄まし、さぐる‼ 泥の中から、手探りで小石を探し出すように‼ 常に捨てれるものを考え、選び、不要なものは、使えんものは、地位も、賞讃も、くだらん主張も、ましてや見栄え。勝利に必要のない一切を躊躇なく捨てる‼ そして「勝利」__「勝利」につながる勝機だけをさぐる‼」
異様な形相で進みながら御堂筋は続けます。
御堂筋「見つける。捕まえる‼ 実行する‼ 仲間のスリップ。お友達のピンチ?心配して振り返る?レース中にィ!? ププ…言うとるやろ?何度もォ、繰り返しィ。………“友情”ォ?それ一番最初に捨てるヤツやよ!?」
ギュバァッという効果音とともに、総北を振り返り、不気味な笑みを浮かべる御堂筋。
確かに見栄えはとっくの昔に捨ててきたのだろうなと頷ける形相です。
そんな御堂筋の非情な言葉を受け止める今泉、小野田、鳴子。
目を見開き、口をあけ、焦りの表情を浮かべています。
そして、いよいよ御堂筋が登り返しに入りました。
沿道の観客が沸いています。
「最初に下ってきたのは、京伏、御堂筋」
「うおお」
「111番、イエローゼッケン」
「速えぇ」
「さっき速報で総北が先行してるって……」
「抜いたのか、全員!?」
「マジかよ」
「この男、初日2位、昨日優勝。今日も‼ 優勝狙う気だ‼」
「先頭で登り返しを駆け上がる‼」
「ゴールまで、のこり5.5キロォ‼」
登り返しを猛スピードで過ぎ去る御堂筋。そして『LAST5500M』という看板が描かれます。
続いて観客が待ち構える登り返しに入ってきたのは総北3人。
その様子を見守る観客が口々に言います。
「総北も追う‼」
「ああ、けど差がひらいてる」
「ガンバレ」
「100m…いや200mだ‼」
今泉「くそ、想像以上にひらいた」
小野田「今泉くん‼ もうあんなところに‼」
今泉「やられた‼」
御堂筋(プク。ブザマやね。ソォフォック‼ 3人も揃って‼ 登り返しまでについた差はそのまま登りの差に反映される。そしてなかなか追いつけない。ピヨ泉くんもそう考えたんやないの?そうや、正解や‼ その小さな登り返しは、大きな勝機の場やった‼ せやからボクは全力で全員をパスした。全神経を使って‼ のこり5.5kmで200m…‼ 十分や。ゴール前、30m差50m差で逃げ切るなんて場面、ロードレースではよくあることや。3人で友情はぐくんでぇ、助けあってぇ、夢なんか見てえ。無駄な時間すごしてたんやないの!? 捨てな…さっきのお友達のスリップ__あれは、一瞥もせず「軽なったわ」言うて、全速力で進まないかんところやったんやよ‼)
今泉と小野田が決して選ばないであろう選択。道のギャップではねた鳴子を一瞥もせずにそのまま進んでしまうという仮定が描かれます。
そしてそんな御堂筋の心の声が終わると同時に、ドンと描かれるのは鳴子の背中。
鳴子「キョリ……200か…」
小野田「今泉くん、今すぐボクが出て追っ……」
今泉「いや__まて。ここはオレが……いや」(うしろには箱根学園がいる‼ 真波と黒田さんが。小野田をここで出す!? 真波はどうする!? いや迷うな今泉俊輔‼ こういう時こそ細心の注意を払って)
ボカッと頭をどつかれ、今泉の思考は止まります。
鳴子「何つべこべ考えとんねん。スカシが」
今泉の頭を叩いたのは鳴子でした。
今泉「 !? 」
小野田( !? )
鳴子「出たら追う。それでええやろ」
前を向いたまま、鳴子は話しを続けます。
鳴子「細かいこと気にしすぎや。そういうとこ、おまえホンマ アカンとこやな」
今泉「な」
鳴子「計画立てても思い通りにならんのやったら、立てへんいうのもひとつの手やで。言うたやろ、“時に大胆に”や‼」
前方ではなく、今泉や小野田の方に顔を向け、“時に大胆に”を語る鳴子。
その顔、顔を向けても合わない視線に、はっとする今泉と小野田。
鳴子「3人で追いつきゃええだけの話やろ。つかまっとけや2人とも。ワイが引いたる。ここから先は」
小野田「鳴子くん…」
今泉(鳴子!?)
鳴子「鳴子特急、急速発進や‼」
今泉(視線が…こっちを見れてない…お前、目が、また)
小野田「鳴子くん……目が……?」(え?それで…?さっきから何度も__‼)
鳴子が幾度も道の荒れに車輪をとられていた事を思い返す小野田。
小野田「鳴子くん下がっ…」
バッと今泉の手が小野田の前に出て言葉を止めます。
小野田(え)
今泉は目を伏せたまま言います。
「引く、てのか。おまえが。鳴子」
鳴子「カッカッカ。チョローッとやってスアーや」
ぐっとハンドルを握りしめ、俯いたままの今泉。
その様子を見つめる小野田。
小野田(今泉くん………)
今泉はさらにハンドルを握る手に力を込めます。
ぐぐっ、ぎゅううと握りしめ、ドンと前を向き、言います。
今泉「たのめるか‼」
そんな今泉の言葉をしっかりとその背中で受け止める鳴子。
小野田は大きく口をあけ、声を出せず、二人の様子を見つめます。
鳴子「ああ。まかせとけ」
小野田「今い……」
言いかけた言葉を飲み込みます。
小野田(もう分かってるんだ。今泉くんも__。この先、鳴子くんがどうなるか。わかった上で__‼)
鳴子「お代はツケにしとくわ。乗っていきや、小野田くん。ついでにスカシ。鳴子列車の一番ド派手な最終便に‼」
ドンと振り返る鳴子。口元はニカっとしていますが、その目は焦点が定まっていない、明らかに通常の瞳とは違います。けれど、そこには確かな闘志も宿っているようで、強い意志、オーラが漲っています。
大きく口を開け、眉を下げながら、目を見開いている小野田。
歯を食いしばり、前方を睨みつけているかの如く険しい表情の今泉。
『◎派手に。そして“時に大胆に”‼ 鳴子劇場、最終章に突入‼‼』という文字が綴られ今週はおしまい。
……来てしまいました ついにこの時が!
今週、後半部分の文字を打ち込みながら本当に涙が出てきました
鳴子おおぉぉぉ!!
視界が悪くなっている事が分かってからの小野田や今泉の反応、本当に泣けます。
全てを悟ったうえで、「たのめるか‼」という言葉を返した今泉。
ぐっとハンドルを握り締める様子や、その表情の変化で「たのめるか」という言葉を選ばなくてはならい辛さが伝わってきました。
小野田も、口を割って出てきてしまう“下がって”という言葉を飲み込まなくてはならない事実。
今泉の険しい表情とはまた別で、その大きな瞳から今にも涙がこぼれてくるのではないかと思わせます。
今週はそれぞれの表情や動作のひとつひとつが本当に細かく描かれていてすごい!
私の文章などではとてもとても表現しきれない微妙な表情で。読んでいてそれぞれの気持ちがじんじん伝わってくるようです。
是非読んでみて頂きたいと思いました。
最後の鳴子の表情も、ちょっと表現できません。
確かに目がおかしいのは分かるのです。でも口元はいつものようにニカッとしてみせてて。キッと上がった眉、表情から強い意志も感じるけれど、明らかに物凄い疲労している事も伝わってくるんです。
絵で表現出来る力に感激しました(T-T)
で、絵に感激する以上に辛いーー(ノД`)
鳴子リタイア……秒読み段階じゃないですか。
胸がいっぱいで、あまり感想が出てきません
3人で夢を見た時間。それは決して無駄な時間じゃない!
それを見せつけてくれますよね!!
頑張れ鳴子
来週からのド派手なその最後、辛いけれどしっかり目に焼き付けます(>_<)