手嶋が山岳賞を獲る瞬間はいつ読めるのでしょうか?もしや山岳賞獲れない
そんな質問を投げかけたい状態が続いております、週刊少年チャンピオンの弱虫ペダル
以下、一週間待ちわびておりました今週の内容と、その感想に入っていきます
本誌未読の方は、ネタバレにご注意ください
大勢の観客が口々にに叫んでいます。
「いけぇ」
「来た、先頭2人」
「てしまァ」
「山岳ラインまで、のこり100m‼」
手嶋と葦木場が、肩をぶつけ合い競りながら走っています。
葦木場「あああ」
声をあげ、全身全霊でペダルを回す葦木場。
手嶋と二人、山岳賞のゲートを目指し走りながら、その想いが語られます。
葦木場(純ちゃん、オレ今、不思議な気持ちだよ。残り100mを、こうして違うジャージで走ってる。なのに、さっきから、妙な一体感、感じててさ。この3年間、別々の場所で、ちがう高校に行って過ごしてたっていうのに。小学校も中学も“高校も”、ずっと一緒に、同じチームで走ってきたような感覚になってるんだ‼ 高校時代の思い出も、おかしかったことも、辛かったことも、苦しかったことも、共有できてるような不思議な感覚だよ。オレはね、純ちゃん。ずっとずっと、気にしてたことがあったんだ。あの年の冬、純ちゃんは、ロードをやめるって言いだしたんだ。中学3年の最後の冬の__出来事だ)
ここから、場面は変わり、中学3年生の頃の話になります。
葦木場「え、その話本当!? 町田くん」
中学校の教室。体育の授業の後でしょうか。自身の机の前で学ランを羽織ろうとしていた葦木場が、片腕だけ通した状態で思わず硬直します。
葦木場が驚くその情報を走って伝えに来たのは東戸。ハッハッっと息を切らしています。
東戸「いや、オレ町田じゃねーよ、東戸だよ。アダ名はヒガシマル。この間の3年の部活、最後のレース終わったあと、すげぇ落ち込んでたろ、手嶋」
葦木場「うん」
東戸「2年の今ナントカってのに負けたーとか、43位だったとかって。それで……勝てねェんならロードやる意味ねぇって…やめるって言いだしてんだ」
葦木場は学ランの上着を着ながら、東戸の後について、急ぎ手嶋のもとへと向かいます。
東戸「あ、いた、手嶋」
手嶋「おう、東戸。シキバ」
葦木場「純ちゃん‼」
東戸「おまえはやめるなよ。好きなんだろ、自転車」
手嶋「げ、その話?」
葦木場「ふ…2人で天下とろうって約束したじゃないか」
手嶋「もうそんな広まってんの?」
手嶋「本当だよ、その話」
唖然とする葦木場と東戸に、手嶋が語ります。
手嶋「優勝できなきゃ意味ないだろ?ロードは。好きと、勝つは、どうやら違う。準備して走った。勝つつもりで最後のレースを走った。できる限り努力もした__けどさ。そんで芽が出ないんだ。しょうがないだろ。ワカりやすい話だよ。オレには才能がなかったってワケだ」
さらりと言ってみせる手嶋を、葦木場はじっと見つめます。
手嶋は自身の手を見つめながら、もう一度口を開きます。
「そういうワケだ」
葦木場(純ちゃん。ちがう、やめちゃダメだ純ちゃんは‼)
強く思った葦木場は声を大にして言います。
葦木場「ダメだよ、純ちゃん。自転車は気持ちが大事だって、いつも言ってるじゃないか。自転車はどんな時も楽しいって、オレに教えてくれたの、純ちゃんじゃないか」
手嶋が困ったように眉をひそめます。
手嶋「その、気持ちてのがさ。悪い…な、シキバ。折れちまったんだ」
葦木場は呆然と口を開けたまま、言葉が出ません。
手嶋「ま、オレはカラオケには才能ありそうだから。高校入ったら、カラオケ部を新設するよ。今までの分、アソんで楽しくやろうと思う」
そう言いながら、手嶋は葦木場と東戸に背をむけます。
手嶋「………心配ありがとな」
後ろ向きのまま手を振り去っていく手嶋を、二人はただ、見つめています。
場面が変わり、辺りはすっかり暗くなった頃、足早に家路をたどっている葦木場。ぶつぶつ一人で言っています。
葦木場「はあ‼ はああああ‼」「ちがう‼ ちがうんだ」「はぁ‼」「カラオケ部なんて絶対本気じゃない。ふさわしくない‼」
立ち止まり、バッと夜空を見上げる葦木場。
葦木場(そうだ。オレは去年の秋__雨の中、純ちゃんに助けてもらった。今度は、オレが助ける番だ。純ちゃんのピンチを‼)「よおおおし、やるぞ」
声をあげ、決意を固めます。
葦木場「ただいまーっ」
家に着くと、自室にむかい、ドサッとカバンを置きながら、さっそく計画を練り始めます。
葦木場「まずは、自転車作戦だ。一緒に連れ出そう。たのしいサイクリングだ。そうしたら走ってるうちに心も回復‼ あれっ、意外にカンタンだぞ?やっぱり自転車ってスゴいなー」
ベッドに腰をおろし、腕組みをしながらさらに考えます。
葦木場「でも問題は、いつかだな…一応オレたち3年生…受験生だからな。もう12月だしな。誘う理由がいるなぁ……クリスマスは…ヘンだしな…あ、お正月なら。あ‼ 遠くの神社にお参り!自転車で‼ 初詣で‼ 合格祈願‼ あーーこれならいける‼」
良い案を思いついた葦木場は、その日の夕食をご機嫌でもぐもぐ食べています。
食卓を葦木場と囲うのは、その母親と妹。
葦木場(オレ天才かも)
葦木場妹「お兄ちゃん、きもちわるーい。何かニコニコしてるー」
葦木場母「拓斗、何かいいことあったの?」
葦木場「まぁね‼」と親指を立てて返事をします。
葦木場「母さん、お正月はどこもいかないでしょ」
葦木場母「………。……あ」
母の反応に?マークを浮かべる葦木場に、母親は少し困ったような表情を浮かべます。
葦木場母「ごめんね、また急なんだけど、昨日お父さん、会社から辞令が出てね。12月いっぱいまでに神奈川に引っ越しよ」
葦木場妹「お兄ちゃん今ごろ知ってるー。ツバサはさっき聞いたもんねー」
葦木場(え?)
葦木場母「ごめんね。受験なのにね。今から神奈川の高校、願書とりよせなくちゃ。お正月は向こうで過ごすことになるわ」
葦木場(え!?)
愕然とする葦木場。
蒼白な顔で、食後にテレビを見て自室に戻り、机に向かいますが、その心はまだ引っ越しの事実を受け止められていないかのようです。
ただ茫然と、いつも通りの行動をしただけといった感じ。
葦木場(え?)(え?)(え!? )
机に向かってノートを広げていましたが、パキッとシャーペンの芯が折れます。
そのまま手から抜け落ちたシャーペンが、カランと足元へ落ちました。
葦木場の部屋のドアの向こうから、母と妹の話声が聞こえてきます。
妹「また引っ越しかー。ヤだなー。千葉長かったのにねー」
母「お父さんも、そろそろかもとは言ってたけど。ご近所さんにもあいさつしとかないと……」
葦木場(なんで?じゃあ、“お正月”は__!?)
ここでまた、場面が変わります。
2学期の最終日、葦木場にとって、南中に通う最後の日。
学校へ向かう道の途中、手嶋を見つけた葦木場は、その後ろ姿を見つめ、思います。
葦木場(純ちゃん…オレ、純ちゃんがピンチなのに。オレ。何にもできない)
そして、帰りのホームルームの時間。
先生「それじゃ、明日から冬休みだけれども、しっかり後悔のないように、勉強して受験に備えてな。この時期油断するとカゼをひくから、各自体調には……」
先生の言葉など耳に入ってこないかのような葦木場。
終わるとすぐに教室を飛び出し、手嶋のもとへむかいます。
校舎の入り口付近で手嶋を見つけました。
葦木場「純ちゃん。いた、よかった__」
手嶋「どしたシキバー」
葦木場「今までいろいろありがとう」
改まった言い方に、手嶋はきょとんとします。
手嶋「何だよ。卒業式じゃねーんだぜ?今生の別れかよ。まだ3学期あるよ」
葦木場「いろいろ…オレ、何もできなくてごめん」
俯きかげんに、それでも必死な葦木場。
手嶋「へ?」
葦木場「なのに、やってもらってばっかりで」
手嶋「何のことだよ。おまえはスゴいヤツだ。気にすんな。自信持てよ」
葦木場「最後に、握手をしよう」
手嶋に向かって手を差し出します。
手嶋「は?さいご?」
葦木場「いいから」
手嶋の左手を両手で包むように握手をする葦木場。
時が止まったかのように、その瞬間が大きく描かれています。
握手が出来た葦木場は、顔を伏せたままですが、嬉しそうな口元だけが見えます。
葦木場「じゃあ」
それだけ言って、だっと駆け出して、その場を去る葦木場。
手嶋「うわ、コラ。速えぇっ」
手嶋を決して振り返ることなく、走り去る葦木場。
以降は、その気持ちが語られていきます。
その時のオレは、これ以上もう純ちゃんに心配かけたくなくて。引っ越すことを言わずにいた。
それが自分の中での強くある証だった。
いつも引っ越しのたびに、たくさん別れをする。
別れのたびに、涙を流すのは悲しくなるからやめようと、前の引っ越しの時、決心した。
だけど。この時は。
涙があふれて止まらなかった。
今までの思い出が、次々と顔を出して、ぬぐってもぬぐっても、あふれてきた。
手嶋と握手したあと、泣きながら走る葦木場が描かれています。
神奈川に引っ越して気づいたのは、部活の連絡帳をなくしてしまっていたこと。
純ちゃんと一度も同じクラスになったことがなくて、電話番号がわからなくなってたこと。
“着いたら連絡しよう”“手紙を書こう”と思ってたことが、どれひとつ出来ないことだった。
なにやってるんだろう、オレ…と塞ぐ葦木場の目に飛び込んできたのは自転車でした。
純ちゃんはやめるって言ってたけど。
もしかしたら…もしかしたら、この先、自転車をつづけてたら、またどこかで純ちゃんに会えるかもしれない。
そして、その2年後。
千葉でおこなわれた峰ヶ山ヒルクライムで、オレは
純ちゃんに再会した。
以上で今週はおしまいです(≧Д≦)
ちょっともぉ~!!葦木場と手嶋。二人の関係が濃すぎて。びっくりです。泣けるし。
今週は途中から、今私が読んでいるのはラブストーリだという錯覚に捕らわれてしまって大変でした
クリスマス誘うのヘンか~とか考えてる辺り、可愛い無自覚さんめ!君の想いはクリスマスに誘っちゃうソレだよ!って。笑
腐ったつっこみしか出来なくなってしまいます
葦木場、お正月の初詣に手嶋を誘うと決めてルンルンしているところに突き付けられる、引越という事実
誘うつもりだったお正月にはもう千葉にはいないわけで……可哀相だろぉおお!って胸が締め付けられました(>_<)
結局、葦木場が自転車を続けた原動力は“もう一度純ちゃんに会いたいから”みたい流れですよね。
てか、連絡先が全く分からなくなっている事にやきもきしちゃいますよ、さすが葦木場(>。<)
葦木場の気持ちが語られる時って、あの雨の日のエピソードもそうでしたが、ものすごくドラマチックで。手嶋に対する強い想いがひしひしと伝わってきます
葦木場の想いは読んでいて切なくなるくらい分かったのですが。
これ、手嶋にとっても、また普通に会えると思い込んでいた相手が、しかも小学生の頃からずっと一緒に走ってきた仲間が、急に何も言わずに引っ越してしまったらショックですよね。
この別れ方、しかも自転車の才能も感じていた相手です。
高校からの自転車生活の中でも忘れようがないくらい、葦木場って手嶋にとっても、ものすごい大きな存在だったのではないでしょうか……。
なのに、今までこの葦木場エピソードが語られなかったことに多少の違和感すら感じます。
それくらいの二人の深い関係を見せつけられてしまいました今週は(>。<)
すみません。誤解のないように申しておきますと、私、葦木場も好きです、大好きです。今週うるうる涙ぐんだくらい。
ですが!ですが私は、T2推しなんです……ごめんなさい(>_<)
今週読んで、こんな話を始めるのは超KYだろって自分でも思いますが。
T2推しは譲れないわけで……今週の話を読んでいたら、葦木場って手嶋の中で、こんなにでかい存在だったのかと、自分の中の、手嶋の恋人は青八木!という青八木の絶対的ポジションが揺らぐ不安が出てきたのです。すみません(>_<)
まあ……でもでも、やはり、気持ちが折れた手嶋を、再び自転車に乗せたのは青八木なので。
そこは青八木に分があると信じたいです(って、頭の中で何の勝負をさせているのでしょうね、私は)
『次号→峰ヶ山で手嶋と再会した葦木場の胸中は果たして……!?』とありました。
私的には、葦木場が純ちゃんの今の仲間を見て、安心、喜ぶのと同時に、自分は今は敵対するチームなのだと自覚するのかなぁ~なんて思っているのですが。
まあ、それですと、ラブストーリーで言うなら、ちょっと失恋的な感じ(?)になってしまうので。
逆に本格的に葦木場と手嶋の関係にキュンと萌えてしまいそうで。なんか恐いです(≧Д≦)笑
そして最後にヒガシマル!
葦木場にとって大切な、雨の中を純ちゃんに助けてもらったというエピソード。
これ、東戸がいなかったら成立していませんからね!
言わば恩人!その名前を覚えていない葦木場にちょっと笑いました(^-^;
何より、いつまで経っても名前を覚えてもらえなくても、たいして怒るわけでもない東戸がほんと好きです
そんな東戸の口から出てきてましたね
2年の今ナントカっての。今泉ですよ~!
今週、やっと以前から公表されていた“手嶋の過去”に繋がっていった。そんな印象も受ける回でした(´▽`)
それにしても山岳賞。
あと100mなのに。
なんだか来週も決まらなそうですね