手嶋vs葦木場戦が始まった弱虫ペダル。
毎週木曜日、週刊少年チャンピオンの発売日が楽しみでなりません
以下、内容と感想になりますので。本誌未読の方はネタバレにご注意ください
ワアアアと沿道の人々から歓声が沸きあがります。
「来たぞ先頭‼」
「2名‼」
「ハコガクは?」
「うわ、この人大きい」
「でかっ」
「1日目優勝‼ 2日目山岳賞ゼッケン‼ 止めるヤツのいないハコガク長身エース葦木場拓斗‼ 3年‼」
「対する総北は5番キャプテン、クライマー手嶋純太だ‼」
「手嶋……か‼」
「去年3日目山岳賞だった今泉か、ゼッケン1番の小野田じゃないのか…‼」
「__いや、たしかに手嶋って今まで目立った成績はない。けど1日目の山岳バトルで僅差の2位だった。上がってるんだ…きっと‼ 調子が‼」
「無冠の男__一度もタイトルを手にしたことがない男が、ハコガクのエース葦木場を、倒す。そう目論んで総北は5番を出したんじゃないのか‼」
ざわめく観客の視線の先では、先ほど後ろから追いついてきた手嶋と葦木場が対峙しています。
葦木場「良かったよ、来てくれて。今どんな気持ち?純ちゃん」
歓喜に満ちたような表情の葦木場は、そのまま言葉を続けます。
葦木場「オレ?」
言いながらサドルから立ち上がる葦木場。
手嶋「!」
葦木場「オレはね」
手嶋(立ち上がって体を倒した)
観客「出た‼ ハコガク葦木場、2mの長身を左右にリズミカルにゆらす、メトロノームダンシング‼」
葦木場「オレはすごくいい気分だよ‼」
ダンシングでドンっと加速し始めます。
その姿を見た観客が沸きます。
「いきなりしかけたハコガク‼ 速えぇ‼」
「加速する‼」
「すげぇ!」
「太ももが長げぇ‼」
「総北を引き離す‼」
手嶋(もう、やるのかよ。まてよ…こっちはさっきまで仕事して、めいっぱいなんだよ。)
そう思いながらも、前を見据えた手嶋の表情に暗さは微塵もありません。
手嶋「まてよ、葦木場‼」
葦木場を追って加速する手嶋。
そんな手嶋を見た観客が口々に言います。
「5番も加速‼ 追う‼」
「ああ…でも勢いの割には加速がニブイ…」
「足が重そう。平凡なダンシング‼」
「ガンバレー」
手嶋(重ってえ‼ 足‼ けど__動けぇ‼)
渾身の力を込めるように、ペダルを回す手嶋。
再び葦木場に並びました!
観客「おおおお」
葦木場も嬉しそうに追いついた手嶋に視線を送ります。
ハァハァハァと息のあがる手嶋。
葦木場「そうでなくちゃ、純ちゃん‼」
観客「総北、意地で追いついた‼」
葦木場「ゾクゾクするよ‼ もう一丁いこう‼ 純ちゃん‼」
手嶋「まじかよ…心臓止まりそうだわ‼ 少しは休めよシキバァ‼」
苦しそうにしながらも、気迫に満ちた表情で葦木場に答える手嶋。
ここで、場面はいったん後続の総北&箱学に移ります。
黒田、悠人、真波の順で走る箱学。
対する総北は今泉、鳴子、小野田の順です。
黒田「どうした総北。苦しくなって勝負をすてたか?5番を出すたぁな」
黒田の問いに黙ったまま視線を返す今泉。
黒田「オレは手嶋はもうヘトヘトでリタイア寸前に見えたが?1日目いろは坂での“2位”の奇跡に夢見たか?けど、そりゃあ2度と起きねェから奇跡つんじゃねェのか?うちはヤル気の葦木場を出した。教えてやろうか、どうなるか。ここからゴールまで、のこりおよそ13km。とびだしは2名。もしこの先どっちかが疲れてついていけなくなれば、1名が先行する。そいつがそのままゴール獲っちまうんだぜ?ロードレースじゃしばしばある事だ。先行した選手がそのままゴール獲って、後ろでかまえて準備してたオレたち後続が、仕事せずレース終わっちまうなんてことは」
今泉「……はい。オレたちは、そうならないように手嶋さんを出しました。」
ハッと嘲笑った黒田が続けます。
黒田「言ってるイミわかんねェな、ギャグか?悪いが今の手嶋には、うちの葦木場を止める力ねェだろう」
今泉「__はい。ないでしょうね。けど、止めるつもりです‼」
黒田「次はナゾナゾか!? どうやって止める?オレは手嶋にゃ勝機がねェつってんだ。何で出した!?」
小野田「あの‼」
後ろから声をあげた小野田に、黒田と今泉が振り返ります。
黒田「ああ!?」(小野田!?__)
小野田「あ……あのですね…く…黒田さん…でもですね…」
黒田(ほぉ…こいつ__あんま人の会話に割って入るタイプじゃなさそうだが)
小野田「手嶋さんに行っていただいた理由はですね。手嶋さんはとても…あの、努力家だからです‼」
黒田「努力!? は‼ 何を言うのかと思ったら。“努力”や“がんばり”でどうにかなると思ってんのか。言ったろ。ここは最後のゴールまで、もう15km切ってる‼」
バッと指で下の道を指し、黒田が続けます。
「この先は『努力』じゃねェ。『才能』がなきゃ生き残れねェ領域なんだよ‼」
そんな黒田の言葉に一瞬ショックを受けたような顔をする小野田。バッと下を向きます。
小野田「………あの、でも、ですね。手嶋さんは…この1年すごく努力をしてきました。休まず。コツコツ小さなことを積み重ねて‼ ボクはそれを見ていて、すごいと思っていました。」
小野田は顔をあげ、しっかりと黒田を見ます。
小野田「小さなことを積み重ねる力は『才能』じゃありませんか?」
まっすぐな小野田の言葉に、黒田もハッとした表情を浮かべます。
場面は再び先頭の2人に移ります。
ハァハァと息を切らしている手嶋。
観客「また引き離されてるぞ、総北」「ガンバレー」
手嶋(今ごろオレのとびだしを笑ってるか、黒田。そりゃあ、そうだろうな。オレはさっきまで全開でチームを引いてたからな。リタイアするつもりで__)
ハァハァと息をあげる手嶋。
(くそっ。マジできっつい‼)
ピクピクと悲鳴を上げる脚。ハァハァハァと自身の荒い息を聞きながら、手嶋は考えます。
手嶋の中のイメージが描かれます。
(けど、目の前に、思いがけない道が開いた。ボロボロで倒れかかってるオレに__。)
手嶋は自信が歩んできた道をイメージしています。
一本道。その道を塞ぐかのように存在する大きな扉。
けれど、その扉は今、開かれています。
(一瞬__オレは思った。ボロボロのこの時に、何で__。今じゃなきゃ喜んで駆け出したのに…だけど、すぐに考え直してペダルを踏んだ。違うんだよ。わかってる。『今』だからだ。道が開いたのは、ボロボロまでやったからだ。限界までやって、ギリギリまで覚悟決めて。そういう時にだけ、次の扉は開くんだ‼ チャンスってのは、めぐってくるんだ‼)
俯きひたすら走る手嶋の中に出てきた、開け放たれた扉。
その扉を通過しようと、一歩踏み出す手嶋のイメージが描かれた次の瞬間です!
息を切らしながらも、葦木場に追いつき並ぶ手嶋の姿が描かれます。
手嶋「まてよ、葦木場‼」
しっかりと葦木場を見据える手嶋。
手嶋「急いで……先…いくなよ。もうちょい……一緒に…走ろうぜ。中学の時…みたいにな」
葦木場「純ちゃん‼ すごい、やっぱりすごいよ‼」
手嶋「せっかくだからな‼」(だから、ためらわず進め‼ 手嶋純太‼)
観客「すげぇ5番、手嶋‼」「実は隠しエースなのか。強ええ‼」「ハコガクと互角にやりあってる」
手嶋(観客はオレをかいかぶる。この状況に熱狂する。それに押されてか。何故だかオレも、不思議と力、湧いてくる)
自分の手を見つめ、じわっと力が湧いてくるのを感じる手嶋。
手嶋「シキバ、おまえの質問、答えてなかったな。どんな気持ちってヤツ。ボロボロのはずなのに、何でだろうな。不思議だよ。何か力、湧いてきてる。オレも今。すごくいい気分だよ」
手嶋の言葉にさらに表情の明るくなる葦木場。
葦木場「純ちゃん‼」
手嶋「シキバァ‼」
ガァァと進んでいく葦木場と手嶋。
2人の進む道の脇には“3日目(最終日)山岳ラインまでのこり4km”というボードが立てられています。
『2人が進む道の先には…!?』という文字が綴られ、今週はおしまい。
『次号→手嶋と葦木場の2人を昔からよく知る人物が……!?』なんて事も書かれていました!
“2人を昔からよく知る人物”なんて東戸しか思いつきませんが。
初日のスタート前だけでなく、わざわざ3日目の山岳リザルトライン付近にまで来てくれたのでしょうか
ごめんなさい、東戸ってかなりモブな感じで見てて。そこまで出てきてくれそうな印象はありません。
てか、葦木場には名前を忘れられているレベルでしたけど。その“2人を昔からよく知る人物”になるのでしょうか?
でも他に該当しそうな人物が思い付きません
まあ、その人物とは誰なのか、来週明らかになるとして。今週の弱虫ペダル!
手嶋の覚醒回って感じでしたね
限界のその先へ踏み出していく手嶋さん
『重ってえ‼ 足‼』『きっつい‼』などの台詞、私の脳内では岸尾さんボイスでイメージされてて。
あぁ、こりゃ痺れるなぁと、すっかりメロメロになっていました
漫画も大好きですが、早くもアニメで放送されるのが楽しみな部分です( ´艸`)
ただ今回、少々頭を過ぎったのは、今の段階ではやはり対真波戦と少し似ているなぁという点です。
黒田の台詞の数々で、1日目に真波を追った手嶋に対しての泉田の発言を思い出してしまいました
相当バカにしていましたよね、あの時は。
その後、泉田は真波に話を聞いたと、手嶋に非礼を詫びていましたが。
黒田だってその経緯を知っているハズなのに、“2位の奇跡”とか言ってしまうんですね(>。<)
ちなみに、手嶋ファン的に、あれはそのまま行けば“1位”だったし、運も実力の内だ!と言いたくなってしまうところ。
まあ、手嶋最大の魅力(?)凡人だけど努力の人だという部分を際だたせる為の会話なのかなと思っています。
でも今回は小野田が『小さなことを積み重ねる力は“才能”』と言ってましたね!
先々週の巻ちゃんも言っていましたっけ。
平凡な男の努力、もがきは、他のプレーヤーにも伝わるバイブレーションであり、前に進む力になる(ここは金城さんの言ってた事ですが)。それはゴールまで数キロの、自分達が応援にきているその場所まで、生き残るために必要な“特別な何か”だと。
さんざん平凡だ凡人だと言われ続けていた手嶋さんですが!
“特別”とか“才能”なんて言葉を言ってもらえるようになって。
とても嬉しく思って読んでいます。
まあ、“特別”とか“才能”って、手嶋っぽくはないですが。
それくらい努力してきたって事ですよね!
私としては、少年誌らしく!その努力が実る展開を期待してしまいます(>。<)
そこはリアルじゃなくて良いから!夢を見させて欲しい部分です
とゆうわけで!
葦木場と手嶋には、リタイアというより、ゴールを獲る争いを続けてもらって。
どちらも果てないうちに、いよいよ後続の小野田達に京伏が追いつく。
先に行った手嶋と葦木場を守るんだ!的に、追いながらのバトル(坂道一年生の時のイメージ)をお願いしたいです。
で、昨年とは違い、小野田じゃなくて手嶋が最終ゴール獲るみたいな。
そんな流れじゃダメですかね。ダメなんでしょうがね……。
きっと手嶋は3日目の山岳リザルトを獲得するって事で終わる気がします。
てか、山岳リザルトくらいは獲らせてあげてって心底願ってます(>。<)
あぁ、でも、山岳賞で表彰台じゃなくて。
チームの総合優勝で表彰台に立たせてあげたいのですよね…(欲を言えば両方あげたい!)
無冠の男手嶋に何かタイトルを!って。願ってやみません。
先ほど、対真波戦の話を書きましたが、あの時は真波もはじめは手嶋をバカにしていましたよね(本人にその意識がなくてもそう見えました)。
今回の葦木場は、手嶋に対して高い評価を持っています。
そして中学では同じチームだったわけで。
その“2人をよく知る人物”と絡んでの思い出話、どんな展開になるのか、とても楽しみです
今週はひたすら手嶋純太に思いを馳せる内容でしたが最後に1つ
今週の観客はよく喋りましたねー!
平凡なダンシングとか、あんまり言葉として出てこないですよね。
葦木場が変わってるだけですから!
今泉は昨年3日目山岳賞だったとか。私は完全に忘れてました。
観客のチェックすごい!笑