今週も熱い弱虫ペダル
さっそくですが、まずは内容から入らせて頂きますね感想はその後でm(__)m
以下、週刊少年チャンピオンのネタバレになりますので、ご注意ください
箱学の先頭を引く銅橋。一瞬フラッと倒れそうになり、すぐにバッと態勢を整えます。
フラつくその姿を後ろから見ている箱学メンバー。
まっさきに黒田が声をあげます。
黒田「ヤベ、塔一郎。銅橋、追いこみすぎて意識トンでるぞ」
泉田「…………」
泉田は黙ったまま銅橋を見つめます。
銅橋はハァハァと息が上がっています。
黒田「おい。塔……一郎……!!」
泉田「だからと言って、止めるかい?ユキ。止めないよ、ボクは。」
銅橋「ラスト1km切ったァ!!」
ハァハァと全力で、ひたすらペダルをまわし、チームを引いています。
泉田「同じスプリンターだから、わかる。彼は今、この瞬間__最も充実した時間を過ごしている」
銅橋「ブハァ!!」
舌を出し、まさに“道の怪物”といった感じです。
黒田(___!!)
泉田「止められるわけがない……彼は、1日目、スプリントを獲り、2日目、平坦でチームを引き、3日目、今日も協調を引いて、今、その最後の仕事を、全うしようとしているのだから。」
黒田や泉田と同じく、後ろから銅橋を見つめる真波。
真波「………」(バシくん__)
ニコッと微笑みます。
ここで話しが今年の初夏へと遡ります。
箱根学園自転車競技部。部室で整列する部員たち。
泉田「今年のインターハイメンバーには、2年生が2人入る。メンバー選抜の結果で皆知ってる通りだ。真波と銅橋だ。」
集まっている部員「おおお!」
泉田「ゼッケンはそれぞれ13番と15番だ。」
並んで紹介される銅橋と真波に、他の部員はザワザワと二人の事を話しています。
「なんか正反対の2人だな」
「ホントに同じ2年なのか(笑)」
「超天然の真波と、ゴリ押しの銅橋。話合うのかなー」
「ハハハ、ムリだろ。」
泉田「2人とも、抱負を言ってくれ。」
二人は同時に返事をします。
真波「はーい」
銅橋「はい泉田さん!!」
真波「えーとですね」
銅橋「オレはハコガクを」
声が被ってしまい、顔を見合わせる二人。
真波&銅橋「………」
再び口を開きますが、また二人の声は被ります。
真波「少しはオーダー通りに走ろうかなと」
銅橋「オレはハコガクを」
顔を見合わせる二人。
真波&銅橋「………」
真波「初日のいろは坂の山岳賞をとって」
銅橋「オレはハコガ…だから一緒にしゃべり出してんじゃねーよ、コラ真波!! オレが先にしゃべる!! いいな!! ゆずれ」
真波「あ、オレだいたい言いたいこと言ったよ、もう」
銅橋「何ィ!?」
そんな二人。見ていた部員たちにハハハと笑われ「かみあってねーな」と言われています。
続いて、ロッカールームへ向かうところでしょうか。
銅橋と真波が廊下を並んで歩いています。
真波「またいつものコースかな~」
銅橋(ふ__真波山岳…か。いつもボーとして、人の話きいてねーから、今まであんまじっくり話したことなかったけど。メンバーとなりゃ…同じ2年だし…少しコミュニケーションを…)
考えながら足を止めていた銅橋。
前方では真波が「入りま~す」と言いながら、ガチャっとドアを開けています。
銅橋(まぁ、今じゃなくていいか…)(こいつといると、いつも調子くるう。話かみ合わねェ…。けど__そうだな…“あのこと”だけは別か‼)
銅橋は声をあげます。
「おい、まて真波。」
ドアを開けかけた真波が振り向いて止まります。
銅橋「今日、練習終わったあと、時間とれるか?話がある!!」
真波「バシくん…、ん__うん、ホントは委員長から単位あぶないからプリントやれって言われてるのあるけど。いいよ」
銅橋「おう、そうか、よか…いいのか、それ。ホントに大丈夫か!?」
真波「いつものことだしー」
銅橋「よくねェヤツじゃないのか!?」(真波山岳、こいつは__“インターハイ”を知ってる男だ。)
練習後、どこかの道の途中、自動販売機脇にあるベンチに腰掛けている真波。
その前に銅橋が立っています。
真波「インターハイのこと?教えてくれ?」
銅橋「そうだ!! 何つんだ。行って走って思ったことみたいな…そういうのだ。何でもいい。教えろ、オレに。」
表情を変えず、黙っている真波に銅橋が続けます。
銅橋「オレは念願叶って、晴れてメンバーになった。けど、オレはインターハイのこと、何ンにも知らねェんだ」「去年は、オレのバイクに細工した同級殴って、部内の選抜にも出られなかった。知ってるたぁ思うがな。そんで、暴力はアレだつんで、裏方としてインターハイの会場に行くことも許されなかった。」「知らねェんだ。実際の目で見てねェ。 肌感がワカんねェんだ。」
銅橋の話を黙って聞いていた真波ですが、にこやかな表情を浮かべます。
真波「にぎやかだよー。皆、旗、ふってるし」
銅橋「そうじゃねェ。もっと内側の、おまえならあるだろ。こういうの注意しといた方がいいとか、そういうのだ。何でもいい!! 知りてェんだ。知っときたいんだ。細かいことでいい。でなきゃオレは、いきなりのでかいレースで、結果、出さなきゃなんないんだ!! 練習もやってる。シュミレーションもやってる。けど、胸にこう小さくつっかかってる」
銅橋は自分の胸に拳の腱の部分をゴスッとあて、続けます。
「オレはインターハイを恐れてる」
真波は、銅橋の真剣な表情をじっと見つめてから、口を開きます。
「楽しいよ?」と、やはり笑顔の真波。
銅橋「もっと具体的なヤツだよ!!」
真波「楽しいよ。色々な、感情があって」
前髪をいじりながら語り出す真波。表情に笑顔はありません。無表情です。
真波「喜びや、悲しみ」
銅橋(あ!?)
真波「嬉しさや、苦しさ」
銅橋(感情………)
真波「偶然や、運命だって感じる。」
スウッと右手を上げていく真波。坂を登って行くように指をそろえて上げた右手を眺めながら、話を続けます。
「別れや、さみしさ、悔しさ。焦りや、畏れもあって。それでも皆、全力で。二度と戻らない時間をかみしめて。同じ場所に向かって走るんだ。」「たったひとつの、小さなゲート__ゴールに向かって。」
銅橋は真波の話を黙って聞き続けています。
真波「まぁ、自転車レースって、全部そういうものな気もするけど。インターハイは、それが一番、強い気がする。ね、楽しそうでしょ?」
そう言って銅橋に視線を送る真波。
銅橋「………」
真波「銅橋くんは、感情豊かだから。きっと存分に楽しめると思うよ。」
銅橋(何ンだそりゃ。マナミ……!! 訳わかんねェ…けど、つまり“おそれるな”___楽しめってことかよ!! 真波!!)
銅橋が真波の言葉を反芻していると、先程までベンチに座っていたはずの真波がもう自転車に乗って、立ち去ろうとしています。
真波「ごめーん。もう一件よびだし、先輩からくらってるから。もういくねー」
真波はシャーと去っていきます。
銅橋「ブフォア!? 真波てめ…まてコラおい!フワフワしやがって!!」
場面は一度、現在に戻ります。
インハイ最終日終盤、最後の平坦です。
真波(どぉ? バシくん。きっと今__全開で、楽しんでるよね!!)
銅橋(ブハァ!! 真波ィ!! オレは今ァ!! 最高にいい気分だァ!!)
ハァハァと、全力全開で走る銅橋。
沿道から観客の声が聞こえてきます。
「神奈川__!!」
「いけぇ、ハコガク!」
銅橋(さっきから意識、ちょいちょいトンでる。体中が痛くて限界だ。けど、そんなのどうでもいい!!)(山のふもとまで、のこり500m!!)「ブハァア!」
観客の声が聞こえます。
「ハコガク15番、銅橋すげぇ」
「速ぇぇ!!」
「でかい」
「いけぇハコガク!!」
銅橋(ブハ!! 切れる。もうすぐ、オレの脚ぁ、とまる。けど、後悔はねェ!! 1mmも!! 最高のジャージ。最高の舞台。最高のオワリ方だァ!! そういや前に、先輩、言ってたな___1年の終わりン時もオレは、先輩たちつかまえて、やっぱりインハイの様子、聞き回ってたんだ。)
ここから再び過去に遡ります。
今度は銅橋が1年の終わりの頃。
荒北をたずねる銅橋。
銅橋「何でもいいんです。お願いし…」
荒北「うっせ、声でけぇんだヨ。きこえてるヨ、銅橋てめェわ。」
銅橋「あっつ…すいません、荒北さん」
荒北「そいや、てめェは、居残り組だったな」
銅橋「……ハイ。どうしても出たいんです。来年は!! インターハイに!!」
銅橋の言葉に、荒北は黙ったまま、じっと目を向けます。
その眼差しを黙ったまま受け止める銅橋ですが、再び口を開きます。
銅橋「インハイは、部の記録帳でしか、知りません…」
そう言いながら銅橋は、体の後ろに組んでいた手の片方でぎゅっと拳を握りしめます。
荒北「だったら、そんだけだヨ。記録にあったこと以外は、何も起こってねェ。」
銅橋「いや、けど…そんな…。」「そう、すか………」
異を唱えようとするも、言葉を抑えていく銅橋。
その様子を見ていた荒北が口を開きます。
荒北「……… ハ!! 1コだけ、つっても、何の参考にもなんねェけどな。行って体験しなきゃワカンねェことだ。オレもそうだった。けど、行きゃ実感するヨ。」「インハイ最終日(ラスステ)の先頭は、ハンパなくキモチイイ、ぜ。マジで。」
銅橋の心臓がドクンと波打ちます。
そして場面はまた現在に戻ってきます。
全開で走る銅橋。
銅橋(本当だァ。たまんねェ!ゾクゾクするよ、荒北さん!! ふるえてる!!)(インターハイの最後のステージの先頭は、最高にテンション上がる!!)
大きく一面を使って描かれている銅橋。
ジャージをはためかせ、ペダルを踏むその姿は、限界ギリギリのはずなのに、楽しそうに見えます。
そんな銅橋の最後を感じ取っているかのような箱学メンバーの表情も、それぞれ描かれています。
黒田、悠人は目を見開き見つめ、泉田、足木場は険しい表情、黙って見守っている印象です。また、真波の顔はどこか笑みを浮かべているようにもとれます。
またもフラッとする銅橋。ですが、すぐにまた態勢を戻します。
銅橋「止めねェ。決して踏み止めねェ!! 突き進む!! それがオレの、最後のプライド!!」
『闘いの喜びを噛みしめて…進む!! 次号、山までの闘いが決着する!!』という文字で今週は締めくくられています。
今週、総北は一切出てきませんでした!
全て箱学サイドの話です。並んで走っているはずですが、1ミリも姿が入りこんで来ないという徹底ぶり。
でも、個人的にすごく読み応えもあって好きな話でした。
銅橋、その外見や言動とは裏腹に、とても真面目な面がありますよね。
インハイに向けてシュミレーションをしたり、その雰囲気を知りたくて聞いてまわったり。
真波の前で「オレはインターハイをおそれてる」と言い切るところが好きです。
銅橋は強そうなイメージですが、見栄を張ってそう振る舞っている部分は全くなく、本人は人からどう思われるとか、そうゆう事は気にせず、ただ正しいと思う事を頑なに守り続けているだけ。そんな印象を強めました。
今週は銅橋の、ものすごく真面目な人物像が描かれていた気がします。
そして、インハイに対する強い想いも、感じる事が出来ました。
また、後半の過去のシーンで、荒北が出てきてくれた事にテンション跳ね上がりました
インハイ最終日の先頭は、ハンパなくキモチイイ!!ってコレ、私の中の名台詞の一つですよ
荒北はこの言葉を最後に散っていくんですよね……その時のシーンが一瞬脳内で蘇りました(ノД`)
で、それを味わう銅橋。
今週はいよいよ銅橋にも散りますフラグがたったー!と感じました。
意識をちょいちょい飛ばしながらも、生き生きと走るその姿には胸打たれます
そうゆう瞬間(フラグたった!と思う瞬間)のキャラクターの表情が、なんとも言えない、文章では表現しきれない、良い顔をしているんですよね…渡辺先生すごい!思うところです
過去話も!先生、上手いですよ!
だいたいどんなキャラでも、好きになっちゃう内容を盛り込んでいらっしゃっる
先週の終わり方からして、今週は銅橋にスポットの当たる回だとは思っていましたが。予想以上でした
ちなみに今回のタイトル『銅橋正清のインターハイ』ですが!
彼のインターハイを語るなら!
そのインハイ前の葛藤も重要ですが、スタート前にトイレで出会った運命の相手(!?)鏑木の事も盛り込んで欲しいのが腐女子の願望ですよ( ´艸`)笑
愛の告白までしちゃってましたからね~
銅橋と鏑木、二人ともリタイア必須の状況なんで。リタイアした後、救護テントに連れて行ってもらった二人の会話が、ものすっご~く気になるところです(´▽`)
って、ちょっと気が早いですが。すみません、同時リタイアはけっこう萌えるんで。やっぱりどうしても考えちゃうんですよね
来週はいよいよ決着が着くようなんで!めちゃくちゃ楽しみです