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2016年クリスマス妄想劇場☆(注)記事の大部分が二次創作小説になっています

前回の記事から一週間が経とうとしている事に気がつきました( ゚Д゚)
師走というだけありまして。本当にバタバタと、毎日があっという間に過ぎていきますね
そんな慌ただしい日々の中、空いた時間を使ってブログ……ではなく、ひたすら二次創作小説を書いていた私
東巻クリスマス&本誌での再会ネタを題材に書いていたのですが。思った以上に話がまとまらず。
クリスマスには終わらせ投稿するという目標は絶望的に(´Д`)
このままではクリスマスっぽいものを書き上げずに年を越してしまうと焦った末、必死に書いていた東巻小説とはまた別の、ゆる~い話を1つ、ブログ内でご紹介させて頂こうという考えにたどり着きました(*’▽’*)

ですので、今日はこの後ドカンとイブとクリスマスに書いた小説が載っかっておりますので。
二次創作はちょっとNGだなぁという方、くれぐれもご注意くださいm(__)m

さて、小説ですが、私の大好きなカップル達のクリスマスの様子を書きました
東巻(弱ペダ)、せりょゆづ(セブンデイズ)、レオクラ(ハンターハンター)、ジャンアル(進撃の巨人)の4組が登場します。
本当は最近好きなカップリングであるヴィク勇も加えたいくらいの気持ちでしたが、ユーリは公式が最大手なので、私の入り込む隙はないと判断です。笑

はじめに登場するのは東堂と巻ちゃん。
未来捏造の大人の東巻です。
実はここに出てくる2人はクリスマスまでに投稿するのを目指して書いていた小説の翌年という設定。ですので、投稿しようと書いていた小説とは別の話です~と言いつつ、やんわり繋がっていたりします。
本来はたぶん投稿予定だった小説を読んで頂いた後に読んで頂くのがベストな流れのものなので、申し訳ない事にちょっと謎な部分があるかもしれません。

東巻の後、せりょゆづ、レオクラ、ジャンアル…と別世界なカップル達を繋げて書いてしまっています。
ので、すみません、細かな設定等はつっこまないでやって頂けると幸いですm(__)m
違う世界がくっついちゃってます
あくまでブログ用に、文章もあまり推敲せずの状態ですので。
そう小説というよりは、クリスマスに私の頭に浮かんだ妄想を書き起こしただけ!という感じですね
長ったらしい前置きですみません。

以下、妄想の始まりです(´▽`)笑

↓↓↓ 

************ 

すれ違いざまに肩がぶつかり、巻島は後ろを振り返るより先に、その両手に持っていたドリンクを確認した。
蓋がしてあるおかげでこぼれてはいないようだ。
ほっとしたのと同時に、相手の声に慌てて振り返る。
「あっ、すみません!」
「すみません…ショ。」

自分も謝りながら相手を見れば、どうやらまだ高校生。
学生らしい紺のトートバックに濃紺のコート……学生にしてはずいぶんと良いコートを着ているなと、職業柄、ついそんな部分に目が行ってしまう自分に苦笑いをした。

それにしても、少し考え事をしていたとはいえ、すれ違い様に他人とぶつかる程、混み合っているとは。
時は12月24日。覚悟は出来ていたが、予想以上だ。
巻島は小さくため息をついた。
このような人混みはあまり好きとは言えない。
しかも自身の歩みの先には、さらなる人混みが待ち受けている。
人混みの向こうにあってもしっかりとその姿が見える程の大きなクリスマスツリー。
このクリスマスツリーは1日に数回、決められた時刻になると、眩い光と美しい音に包まれた幻想的な情景を作り出し、訪れた人を楽しませてくれているのだとか。
巻島はそのツリーを見に訪れた人混みの中に戻ろうとしているのだ。
日本人らしく行儀良く、やんわりと、列とは呼べないまでも順序よくツリーの前で場所を確保している人々。
その中に巻島のパートナーが待っている。その中に、というより、彼はその群集の先頭ポジションをキープしているのだった。

巻島のパートナー、東堂尽八という男ときたら、この手のイベントが大好で、ハロウィンが終わったと同時に今年のクリスマスのプランを練りはじめていたようだった。
今年は二人にとって少し特別なクリスマス。
だから、日本に戻ってきた。

東堂と自分。かつて東堂は巻島を唯一無二のライバルと呼んでいた。
時を経て、東堂はプロロードレーサー、巻島はデザイナーとして違う道を歩みはじめてもなお、そのライバルという関係は形を変えつつ二人の間を流れている。
お互いが自分の業界でどれほど活躍出来ているか、さしずめ今はそんなライバル意識だらうか。
互いに負けまいとする気持ちは強いプロ意識に繋がり、気付けばお互いそれぞれの業界で少しは名の知れる存在となっていた。

巻島は人の群とは反対側、クリスマスツリー側から回り込むようにして東堂の隣へと戻った。
ツリー側を歩いている時から東堂と目があう。まるで戻るタイミングが分かっていたかのように。
自分を見つけたとたん、和らぐ東堂のその表情が、巻島は好きだった。
伝えれば面倒な事になるので本人には絶対に教えるつもりはないが。
きりっとつり上がった眉に精悍な顔立ち。その髪の色と同じ深い至極色の瞳は、一見冷たそうにさえ見えるのに。巻島の姿をとらえると、ふわりと優しい色を帯びる。気高き色の中の、巻島だけが知っている、優しい色。

「これ、あったかいショ。」
東堂の左隣。落ち着くポジションに収まると、巻島は手にしていたドリンクを片方手渡した。
「ありがとう、巻ちゃん。」
嬉しそに笑う無邪気な表情は昔と変わらない。
昔……東堂はダサいカチューシャをしていた。
今は長めに伸ばした前髪を無造作に左右へ流しているが。昔はその前髪をカチューシャで留めていたのだ。今となっては懐かしい。

巻島は高校生の頃を思い出していた。
今日がクリスマスイブだからだろうか。先程高校生とぶつかったからだろうか。
いや、そもそも今、日本に来ていること事態が、あの頃から繋がっている自然な流れ、運命のようなものだ。思い出すのも当然かもしれない。
クリスマスに日本に戻り、こうして人混みにもまれること。
あまり巻島の性に合わないのだが、今日は良いのだ。とことん彼のプランに付き合うと決めているのだから。

「まだあと10分以上あるショ…。よくもまあ、皆きちんと順番に待つよなぁ。日本人~って感じするショ。」
「巻ちゃん?他人事みたいに言っているが、ここはその先頭だぞ!」
何故かどや顔の東堂に巻島は軽くため息をついた。
「分かってるショ。だから、言ってるんだよ。レースのスタート前ならまだしも、ここは……なんつぅか、俺ら気合い入りすぎてるみたいでよォ。ちょっと恥ずかしいショ。」
先程、彼のプランに従うと腹をくくりなおしたばかりだが、文句を言うのはまた別である。

「うむ。仕方ないな!なんせ俺は本当に気合いが入っているのだから。そもそも今年は日本でクリスマスを過ごそうと、ここへ来たいと言い出したのは巻ちゃんだぞ?最愛の人のリクエストがあったなら、ベストを尽くすのが当然というものだ。」
「……お前、そうゆう事さらっと言うなショ。」
会話の中にも堂々と恥ずかしい台詞を入れてくる東堂が憎いくらいだ。
巻島は想いを伝えるのが苦手だというのに。

東堂が言ったように、ここへ来たいと提案したのは確かに自分だった。
それはきっかり一年前の事。
一年前の今日。巻島は思いついたのだ。

高2の春に出会った東堂と巻島。二人が刻んできた日々の中で、高3のクリスマスだけが唯一、離れ離れに過ごしたクリスマスとなっている。
そしてその時に東堂が訪れていたのがこの場所。
あの頃、東堂には酷く辛い想いをさせてしまったらしい。
ならば、その記憶を、自分との思い出で上書きしてやろうだなんて。一年前のあの日、巻島はなんとも恥ずかしい事を口にした。
まあ、言ったわりには、結局今年も東堂に任せきりになっているのだが。

思い巡らせていると、東堂がドリンクを持っていない方の手で巻島の手をとった。
はっとして東堂を見れば、笑顔を返される。
「この東堂尽八、どこにいても目立ってしまう美形だがね。今日は皆、このツリーを見に来ている。誰も俺達の事なんて気にしない。だろ?」
「クハっ、」
昔から変わらぬ物言いだ。
「ん?今笑うところではないよな、巻ちゃん?」
巻島は答えの代わりに、繋いだその手をそっと握り返した。

こうして街中で手を繋ぐのは極力控えていたが。
確かに今日は皆にとって特別な日。自分達の事なんて誰も気に留めていないだろう。

「……巻ちゃん、ありがとう。俺はこうして巻ちゃんと過ごせるだけで幸せなんだ。あの高3の日が、最高の思い出で上書きされているよ。」
「そりゃ……良かったっショ。」

指と指を絡ませ手をつなぐ。
巻島は想いを伝えるのが苦手だ。
でもきっと東堂なら、この手のぬくもりから、言葉以上の想いを感じとってくれる。
それが東堂尽八という男。
巻島にとって唯一無二の、大切な人。

************ 

「ねぇねぇ弓弦さん、あの先頭にいる人、さっきぶつかった人じゃない?」
芹生は前方の人混みに見覚えのある人物を発見し、弓弦に声をかけた。
まもなくクリスマスツリーのイルミネーションショーが始まるというので、移動するのを止めて待ち始めたところだった。
「おっ、本当だ。あんな前にいるじゃん!……って、あっ!あの人!どっかで見た事あるなと思ったら。あれ、デザイナーの巻島裕介じゃないか?妹が好きなんだよ。なんでさっき気付かなかったんだ、俺!」
芹生も巻島という名前を耳にした事はあった。デザイナーとしての実力もさることながら、その個性的な人柄やライフスタイルで話題になっていたのを覚えている。
「やばっ、俺さっき会話しちゃったじゃん。すげー!あっ!て事は一緒にいるあの人、東堂かな?」
ニュースで見たような人物がいる事も気になるが、隣で背伸びまでして前方を覗き見る弓弦の様子が可愛らしく、芹生の視線はもうすっかり弓弦の方に向けられていた。
「あっ、やっぱりそうだ。あっちは東堂だ!目立つなぁ、あの二人!あの距離感!あの雰囲気!テレビ通りだな。」
弓弦の言葉に芹生も前方に目を向けると、人目もはばからず寄り添う二人の姿が見えた。
そう、巻島と東堂という人物、それぞれの名前を単独でも耳にするが、セットで熱愛報道を見かける事も多い。
堂々とした様子に女性ファンも多く、報道は好意的なものばかりだ。
本人達はお忍びのつもりらしいがとても目立っていて。それが面白いとマスコミから注目されている。
「ほんとだ。あの人達、なんかすごいね。」
「だよな、あそこまで堂々としてると、清々しいってゆうか?でも、うーん、俺と芹生であれはないよな。」
“ない”と断言されると少し寂しいが。確かにあの二人には自分達とは確実に違う雰囲気を感じる。それを大人の雰囲気とでも言うのだろうか?よく分からない。

高1の自分……対して弓弦は来年にはもう卒業してしまう。
もっと早く生まれたかった。もっと早く大人になりたい。そんな風に思ったのは初めて。弓弦と出会ってからだ。
どうにもならない年の差が悔しい。

「今日は有名人にも会っちゃうし。なんかワクワクすんな。俺こうゆうの初めてなんだ。」
楽しげな弓弦の声に、今し方のちくりとした胸の痛みから我に返る。
「俺も、スポーツ選手とか見かけるの初めてだよ。」
芹生としては弓弦に相槌をうっていたつもりだったのだが。突然、弓弦が今度は不服そうな声をあげた。
「悪かったな!クリスマスシーズン、ちょうど彼女いた事なくて。俺は毎年ダチと鍋パーティーだったんだよ。」
「鍋パーティー……って、あっ!弓弦さん、クリスマスデートって初めて?」
言いながら、嬉しさに心拍数が上がった。
「あー、なんかすっげぇムカつく!モテモテ人生のおまえにゃ、縁のない話だろうよ!」
拗ねた弓弦が可愛くて、芹生はクスリと笑った。
「芹生、笑うの失礼すぎ!」
いよいよ本気で機嫌を損ねられては困る。
「違う!違うって!俺も初めてだよ!こうして恋人と過ごすクリスマス。」
「はいはい、そうですかぁ~。」
むくれる弓弦も可愛い。そして、嬉しさもジワジワと胸に広がっていく。

「あれ?おい!何ニヤニヤしてんだよ。今度はまたどこのネジが緩んだ?」
弓弦が顔を覗き込んできた。
「こうゆうクリスマス、いいなって。あと、弓弦さんも初めてって。俺が初めてって、すごく嬉しいなって。」
先ほど一歩近づいたかと思った弓弦が今度は一歩引く。
「ったく!お前時々、とんでもなく恥ずかしい事をさらっと言うよな。」
照れたり、ひねくれたり、怒ったり、笑ったり。くるくると変わる豊かな感情と表情。
弓弦はいつも芹生の心を魅了してやまない。
「……まあ、嬉しいけど。」
少し照れながらも最後には笑顔を向けてくれる。
あぁ俺、本当に弓弦さんが好きだと改めて思う瞬間だ。
あの二人みたいに堂々と寄り添える関係も少し羨ましかったりするけれど。
今はこの笑顔で十分。
大好きな人と過ごす初めてのクリスマス。二人の初めてが揃う。幸せな時間だ。

************

「なぁ、クラピカ。俺達も手くらい繋がねぇ?」
レオリオは思い切って隣に立つ恋人に提案した。
「レオリオ…寒さにとうとう脳が凍ったか。」
さらりとした金髪に碧い瞳。白い肌に、整った中性的な顔。その美しい容姿から、こんな容赦ない言葉が出てくるなんて。誰が想像出来るだろうか。
きっと想像出来るのは自分を含めたごく少数の者だけ。

レオリオとクラピカはまもなく始まるイルミネーションのショーを見ようとやってきたのだった。
人混みを避けた結果、いつの間にかツリーのある場所より上の階に来てしまった。
この4階建ての大きな建物は、中央広場が吹き抜けになっており、その1階に設置されたツリーは他の階からも見ることが出来る。
1階真正面が一番よく見えるのは確かだが、斜め上から見下ろす事になるこの場所は、人がそう多くないのが良い。

「ったく、せっかくイブのデートなんだからよぉ。ちっとは恋人っぽくしたいってーの。」
レオリオは手すりにつかまりツリーのある下の階を眺めた。
クリスマスのデートスポット、当たり前の事だが、上から見ると改めて人の多さを痛感する。
『私はキリスト教信者ではない』の一点張りだったクラピカを、なんとかここまで連れてきたのはいいが、いっこうに良いムードにならないのであった。

「レオリオ……私はそうゆう事が苦手だと、知っているだろう。」
クラピカの口調、まるで間違った事を言ったのは自分のような気さえしてくるの説得力があるのは何故だろう。
まったく、泣けてくるが。でもそんなクラピカが好きなのだから仕方ない。惚れた弱み。実は今日こうして一緒の時間を過ごせる事だけでも嬉しいのは事実だ。
それに、一見つんけんしているクラピカだが、今日のこのデートを嫌がっているわけではないのだと、レオリオは知っている。
これまた悲しい事だが、本当に嫌だったら、そもそもここまで来てくれないのがレオリオの恋人、このクラピカだ。
頭脳明晰なくせして愛情表現がとても苦手。でもそんなところも全て、愛おしく思っている。

「たまには良いだろう?郷にいれば郷に従えって
。こういう場所ではな、恋人なら手くらい繋いどくもんだぜ?下、見てみろよ。特にあの辺…最前列の辺りとか。ほら、カップルの手繋ぎ率100パーセントに見えるぞ。」
手すりから身を乗り出すように、少し大袈裟に下を覗き込んでいると、クラピカがすっと横に立った。
「お前にしては難しい言葉を知ってるじゃないか。」
そう言いながらすぐ隣でクラピカも手すりに体を預けて下の階を覗き込む。
「お前本当に俺をバカだと思ってないよな?」
体勢を戻し、苦笑いしながら隣を見ると、クラピカはまだ下方を覗き込んでいる。
長い睫毛、きゅっとしまった口元に見入ってしまった。
その綺麗な横顔が好きだ。
レオリオが一瞬見とれていると、クラピカも体勢を戻し、じっと見つめ返してきた。
その美しい瞳に吸い込まれそうになっていると、手すりにかけていた自分の手に、クラピカの手が重なった。
滑らかで少しひんやりとした、クラピカの手。
「郷にいれば郷に従えなのだろう?あの者達の様には出来ないがな。」
クラピカが送った視線の先には、寄り添いツリーを見上げる恋人達。
「ところで、レオリオ。私の見たところ、彼らの手を繋いでいる割合は65パーセントくらいだ。」
せっかく良いムードになりかけていたのに。
「なんだ、その数字。けっこうマジで数えた?」
「さあな。どう思う?」
可愛くない台詞の一つ一つも、二人にとっては限りある時の、貴重な言葉の積み重ね。
その言葉達の裏にある愛情も、レオリオはちゃんと知っている。
レオリオは触れたクラピカの手を包み返した。
自分より一回り小さな白い手。ずっと、離したくない。

ショーの始まるアナウンスが流れる。
どんなに美しいショーも、隣に立つこの恋人の美しさには敵わないだろうと本気で思ってしまう。
これから始まるショーよりも、ずっとクラピカを見ていたい。

************

頬に伝う涙に、アルミンは目が覚めた。
思わず上体を起こし、確認するように自身の頬に触れる。
夢から覚めても尚、かつてない程に鮮明に残るのは幸福感と切なさ。

夢の中の自分は別の人間だった。
確か……クラピカとか呼ばれていたっけ。

夢の中の自分、クラピカはその日、とても愛する人と過ごしていた。
大好きな人と色とりどりに光る不思議な木を眺めるのだ。
眩い光や楽しげな音楽に包まれながら、アルミンの中にクラピカの感情が流れ込んできた。経験した事のない不思議な感覚。
怒り、悲しみ、憎しみ…クラピカはアルミンには抱えきれない程の、人の作り出す闇の中で生きていた。
その闇の中にある唯一の光。クラピカの最も大切な人と過ごすその瞬間、暗い心に灯る暖かさが酷く脆くて、切なくて。
アルミンは知らずに涙を流していたのだった。

「どうした?アルミン。」
自分の名前を呼ばれて我に返る。
呼んだのは隣の布団で眠っていたジャン。生死を共にしてきた仲間であり、アルミンの大切な人。
「ごめんね、起こしちゃった。……何でもないんだ。」

アルミンは再び布団に横になった。
本当に何でもない、ただの夢。
けれど、何故だろう、夢の中の自分は全くの他人でありながら、その想いは我が事のように胸を締め付けた。不思議な夢。

巨人など存在しない、一見平和そうに見える世界。あんな世界がこの世のどこかに存在するのだろうか。
巨人のいない世界。だが、人間のつくり出すどす黒い闇は存在した。
巨人を作り出したのも人ならば、結局この世に人が存在する限り、平和などないのであろうか。
人間程、残酷な生き物は存在しないだろう。なんて罪深い生き物なのか。
目を瞑るも、次々に浮かんでてくる考えは眠気をかき消していく。

「アルミン?寝る時くらいは考えるの止めて良いんだぜ。」
ジャンの穏やかな声に、そっと瞼を開けた。
こちらを見つめるジャンと目が合いドキリとする。
月明かりの差し込む部屋の中、程よい明るさが保たれ、少しだが表情まで分かってしまう。
「ジャンは僕の事、何でもお見通しみたいで…悔しいな。」
「…そんな事ないぜ?俺はお前の涙を止める方法が分からなくて悔しいと思ってたくらいだからな。」
「ジャン、いつから起きてたの?」
ほんの少しの沈黙の後、ジャンがゆっくり話し出した。
「……今夜は何故か眠れなくて。お前を見てた。」
「そっか…ちょっと照れるな。」

この絶望的世界で、ジャンがアルミンの光だ。
闇をつくるのも人間ならば、照らしてくれる光もまた人間。
夢の中の自分はその日、とても愛する人と過ごしていた。
今の自分もまた、愛する人が隣にいる。
これ以上の幸せはあるだろうか。

「ジャン……少しの間、手を繋いでてくれないか?」布団から腕を出すと、ジャンも手を出し、しっかり握ってくれた。
「さっきの涙はね、たぶん幸せの涙だよ。……好きな人と一緒にいるって幸せで。……でもその幸せの儚さも知っているから切なくて。涙が出て。だけど、儚いものだから余計にその瞬間の幸せがよく分かるんだ。だからとても幸せで、切なくて、涙が出る。」
「……少し、難しい話だな。」
「うん、ごめん。話している僕もよく分からなくなってきた。」
「お前に分からない事、俺に分かるわけないな。」
「……話したらすっきりしたよ。ジャン、聞いてくれてありがとう。」
「眠れそうか?」
「うん。……ジャンは?」
「俺も。難しい話を聞いたから眠くなれた。」
繋いだ手に力がこもった。
「おやすみ、アルミン。」
「おやすみ、ジャン。」
明日をまた一緒に生きよう。

この時代のこの場所に生きている事を幸せに思う。
アルミンにとっての光はジャンだから。
この世界は残酷だ。
この世界は辛い事ばかり起こる。
でも、それでも僕は、ジャンのいるこの世界を精一杯生きたい。

************ 

以上で2016年クリスマスの妄想劇の終了です!
ここまで読み進めてくださった方、本当にありがとうございますm(__)m
誤字脱字もまだありそうですが、すみません、疲れたのでアップしちゃいました

舞台は横浜のつもりだったのですが、途中からイメージしているのが表参道ヒルズになってしまっていました。
まあ、現実にはないどこかということで
私の愛するキャラ達に素敵なクリスマスを過ごして欲しいなと思います。

これ、進撃の巨人、ジャンアル部分を書いている時は苦しかったです(他の部分はとっても楽しく書けたのですが)
最近の進撃の巨人、展開がもう~すごい事になっていて
ジャンアルを書くにしても、どの辺の二人を連れてきて良いのか分からない(´Д`)
って事で、終始とても抽象的な話ばかりになってしまいました
おかしな話ですみません。

進撃の巨人、コミック最新刊を読んでいると、ジャンアル的には切ない終わり方になりそうで。ドキドキしています(ノД`)
ジャンアルもですが、進撃の巨人、続きがものすごく気になります!
月刊誌のスピードが切ないです(>_<) 最後は進撃の巨人の話に偏りましたが、作品問わず私の好きなキャラ達の幸せ、それはイコール私の幸せ
これからも彼らの恋を全力で応援していきたいと思います

ちなみに、当初クリスマスを目標に書いていた東巻小説は引き続き進めて、出来るだけ早く完成させたいです
が、まずは年賀状!!まだ書いていないんですよね~(´Д`)

あぁ、やっぱり年末は忙しい!!(>_<)

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