今週も週刊少年チャンピオンの弱虫ペダルがお休みなので、なんとも寂しいぃ木曜日です。
でも週に一度はペダルを語りたい!というわけで……久しぶりに別冊少年チャンピオン連載中のスペアバイクのお話をさせていただきます。
今月発売の別冊少年チャンピオン8月号に載っているお話は『夏休み4』ですので、そちらのお話を中心に。
それから、『夏休み4』に繋がる『夏休み1~3』も、全ては書けませんが、さらっと要約して書かせて頂きます。
以下はその『夏休み』の内容と感想になります。
本誌未読の方はネタバレにご注意ください。
まず、夏休み1~4までは、以前ファミレス編で、広島まで待宮の言う美味しいものをわざわざ食べに行くのも面白いと語っていた話が現実になっているというもの。
大学の夏休みを利用して、金城、荒北、待宮、新開の4人が呉に向かうというのが基本のお話です。
ただ、この夏休み編は、呉南の待宮の話が主軸になっています。
夏休み1『呉の男』
物語はなんと!井尾谷で始まります。
彼は現在、叔父の紹介で面接を受けた会社に就職が決まり、働いているそうです。
呉南の生徒の多くは、高校を卒業したら就職するのだとか。
その中でも井尾谷の入社したのは厚遇の会社。
船舶の部品を扱う『呉船舶部品中央』という会社だそうです。
井尾谷はてっきりそこで部品を作ったりする仕事をすると思っていたようですが、なんと!井尾谷はいきなり社長秘書となったのだとか。
会社を紹介した井尾谷の叔父は、実はその会社の専務。
物語の中で社長は、井尾谷の経歴、中学ではあばれていたが、高校で自転車競技を始め、インハイにも出場。チームを支えるアシストとして活躍したというのが“おもしろい”と思って採用したと語っています。
夏休み2『出発』
金城、荒北、待宮、新開。4人の乗った車が目的地である広島、呉に到着したところが冒頭カラーで描かれます。
しかし、話の中心はその前、呉に着く12時間前からの出来事です。
PM6:00 東京から静岡の上富士駅に到着する新開を駅で待っていたのは荒北。
新開は輪行袋で自転車を持参。
上富士駅に到着すると自転車を組み立て、駅まで自転車で迎えに来てくれていた荒北に案内され、洋南大学に向かいます。
出発は21時の予定で、それまでの間の各々の様子が描かれます。
金城はレポートの手直しを。荒北と新開は大学の学食でご飯を食べたりしています。
待宮は、彼女のカナちゃんが自分を置いて友達を連れて広島に帰ることを知り激怒。出発までお説教タイムとなってしまいます。
そんな時間を経て、いざ広島へ、向かいます。
車内で待宮は、呉に行けば井尾谷に会えると、友に想いを馳せるのでした。
夏休み3『車内』
まさに広島に向かう車内の様子がひたすら描かれます。
金城の用意してくれていたお菓子が、せんべいやすこんぶ等、セレクトが渋すぎるため、おまえは若者か?と言われたり。
待宮が出発前に疲れ果てた様子で来た理由について話す際、カナちゃんのことを“鬼”と表現したので新開が反応したり。
待宮が井尾谷について語るシーンもあります。
井尾谷は地元では大手の『呉船舶中央』という会社に就職したと皆にも教えます。
機械科を出た生徒は多くがそうゆう仕事に就くのだとか。
井尾谷は「たぶん油まみれで働いとるワ」と、待宮は語ります。
荒北は待宮が井尾谷の事を語る際、「優しい顔するじゃナァイ」と言い、待宮も、それに対して「エエ…!そら、
そうじゃ…3年間、辛さも苦しさも嬉しさも共にした…大切な…友達(ツレ)じゃけのう」と返します。
そして、運転を交代等しながら、一行は呉に到着するのでした。
そして、今月号、別冊少年チャンピオン8月号のお話になります。
SPARE.129 夏休み4『呉駅前の店』
広島県 呉市
呉駅前
PM12:48
駅から
徒歩8分
新開「来たね、ついに」
荒北「長かったぜ650kmォ!!」
金城「ここの…『ブチうまい』というメニューを食べるために…」
街宮「エエ…!!」
荒北「ためだけにィ!!」
金城「オレたちは!!」
荒北「アァ!!」
街宮「じゃ!!」
新開「だね!!」
金城「この喫茶店まで来たんだ!!」
『念願、叶う!! 待宮が言う“ブチうまい”2つのメニューとは!?』という文字とともに描かれるのは、カウンターのように横並びにテーブルについている新開、待宮、荒北、金城です。
新開は『いい香りー』と言ってお茶を飲んでいます。
待宮「肉厚ポークカツカレーと、生地厚ふっくら手作り海鮮ピザ!! じゃ!!」
待宮の言葉とともに、各自の前に運ばれる料理が描かれます。
新開と待宮がピザ、荒北と金城はカレーのようです。
湯気の上がる料理に、皆『おおおお』と声をあげます。
荒北「肉厚!! たしかにこのカツ、メチャクチャ肉厚じゃナァイ!!」
新開「このピザもカリッカリだよ。アンチョビとバジルの香りもたまらないね!!」
待宮「そうじゃ、そのカツ、この店のカツカレーのカツは、いわゆるトンカツの一枚肉じゃなく、バラ肉を何層にも重ねて揚げとるんじゃ!! ぶ厚すぎる肉はかみ切りにくいし、カレーとも相性悪うなる。バラ肉なら、ぶ厚くボリューム出せる上に、ルーともよう混ざる。後半はカツを紐解いて、野菜とカレーでまるめて食うのがブチうめェんじゃ!!」
カレーの解説をうけた荒北も金城も、その魅力にゴクッと唾を飲みます。
待宮「一方ピザは、地元のエビや魚、貝をふんんだんに乗せて、絶妙な焼き加減で、外はカリカリ、中はふんわり、味わい深い生地。お好みでオリーブオイルとバジルオイルも追加可能じゃ!!」
新開「ああ、もうやってるよ!!」
待宮はまだ解説していますが、新開は既に食べて、オイル追加もしているようです。
『チーズもうまいね』と言いながら頬張っています。
荒北「一人で食い始めるなヨ!!」
金城「いただき」
荒北「ます!!」
待宮「ここのピザ、久しぶりじゃ__ます」
と、三人が食べ始めると同時に、新開の『ごちそうさまー』という声。
三人が声の方を見れば、新開は、お皿をきれいに空っぽにし、ナプキンで口を拭っているではありませんか。
荒北「食うのが早えぇんだヨ!!」
荒北がツッコミを入れ、金城の関心は自分の頼んだカツカレーに戻ります。
金城「それでスプーンの他にハシもついているのかー」
金城は先ほど待宮からの聞いた解説、後半はカツを紐解いて野菜とカレーでまるめて食べると良いという話を思い出して声をあげたのでした。
待宮「リクエストが多くてカレーにハシつけたってマスターが言いよったワ」
荒北「うまっ、カレーもフツーにうまっ!!」
金城「このついてるスープもおいしいな」
待宮「じゃろー、それでゴハンいけるワ」
荒北「あ!! そんでハシついてんのか。ポークのために!! カレーなのに!!」
今更気づいた荒北が声をあげます。
待宮「おう、それはさっき金城が言うたワ。他人の会話も聞いとけ荒北」
荒北「チィッ。第一発見者じゃなかったかー」
もーぐもーぐと頬張りながら言う荒北。
新開「靖友、靖友」
荒北「あ!?」
新開「これ見て、ほら。値段」
荒北「あ!? 値段!?」
新開が示していたテーブル上の小ぶりの料金表を手に取り、荒北が声をあげます。
荒北「あ!? ポークカツカレー、800円!? 手作りピザ…700円!? 昭和か!! 安っ!!」
荒北はガバッと手を上げます。
荒北「店長ォー!!」
待宮「マスターじゃ」
荒北「横浜にも店出してくれ!!」
マスター「………」
金城「おい」
新開「それは名案だね、靖友」
待宮「静岡じゃなくてエエんか?」
荒北「く!! 静岡もいいな!! ガッコのそばにィ!!」
待宮「ムリじゃろ。のうマスター」
マスター「うちは個人経営じゃからのう。細々やっとるけ。うまい言われるのは有難いけどのう」
荒北「マジ天下とれるって!!」
マスター「はは」
待宮「説得するな!!」
そして場面は少し時が経過した場面に変わります。
マスターと4人は談笑しています。
荒北「へーー、じゃーー、バイトの帰りに」
マスター「給料日は必ず来よったな」
待宮「この2つのメニューでいつも迷うとったワ」
マスター「よう、仲間5人で来よったのう」
待宮「最初はこの店、学校の先輩でバイトの先輩でもあったイワブチさんって人に教えてもろうたんじゃ」
待宮はイワブチを思い出しながら語ります。
荒北「気合入ってるじゃナァイ。何のバイトだヨ」
待宮「倉庫整理じゃ」
荒北「あーー、花屋とかじゃなくてよかったヨ!!」
荒北は待宮とイワブチが花を持って接客する光景を思い浮かべながら言います。
待宮「どういう意味じゃ」
マスター「いやーー、よけ長居してバカ話したり、つかみ合ったりしよったけ。ワシも憶えとるわ。まさかあの荒くれとったおまえが__大学生になるとはのう!! 聞いた時は二度聞き直したワ」
待宮「エエ…そりゃあワシが一番以外じゃったワ」
マスター「大学じゃあケンカはしとらんのか」
待宮「いや、元より高校入ってからはしとらんて!!」
マスター「夏休みは呉に帰ってきとるんか。うちでバイトするか?」
待宮「おぉ!?」
新開「いいじゃない!」
金城「街宮が………接客か…」
荒北「そのまま就職しちまえー」
マスター「7月末の駅前の祭りで出店出すで。手伝えや」
待宮「エエ!?」
金城「それはピッタリだ!」
荒北がこそっと新開に言います。
荒北「待宮と出店はピッタリだな」
新開「うん、それ今金城が言ったね」
荒北「チィッ」
待宮(はっ)
荒北「!」
新開(!)
待宮「就職てやぁ。4月になってこの店に井尾谷は来とるか、マスター」
マスター「井尾谷……」
マスターは続けます。
マスター「ああ、おまえとようつかみ合いしよった黒髪オカッパのあいつか」
待宮「春先から何度かメールしとるんじゃが、なかなか返事がなくてのう…実は今日も__“この店に13:00にはおるけ、顔出せや”いうて、メールしたんじゃが__返事…なくての…」
そして場面は店から出たところに移ります。
マスターの言葉を思い出す待宮。
マスターは『残念ながら、4月になってから、就職して働いとるいうことは聞いとるが…うちの店には顔見せとらん』と語りました。
待宮「いやーーあいつ、せっかく友達(ツレ)帰ってきとるのに、冷たいのう。馴染みの茶店でー、なんて最高の場所なのにのう!! あれかのう、仕事中はケイタイ禁止的なヤツかのう。昨日の夜にメールは…したんじゃがのう…」
一瞬沈黙が流れます。
待宮「しょ…しょうがないワ、さすがに!今日は平日じゃ。明日から土日じゃけ、返事来るじゃろ。明日の…イベント…『とびしま自転車ライド』には誘ってあるけ。朝9:00__スタートの時間になりゃあ、ひょっこり現れて元気な顔(ツラ)ァ見せるじゃろ。エエ!! 心配いらんワ。全然!! ほら10kmごとにエイドステーションがあってのう。島をめぐりながら食いもん楽しめるいうイベントじゃ。おまえらも速よう走りすぎるなよ!? 明日は大いに走って食うぞ」
新開「そうだね」
金城「ああ」
荒北「………」(てめェが一番__心配してんじゃねーか、待宮ァ……!!」
待宮「ったく…何をしとるんじゃろうなァ、井尾谷は…」
荒北(自分にペテンまでかけてよォ…)
待宮「時間もあるけ、呉の町を案内するワ。今夜はうちに泊まってブチうまい刺身じゃけのう、歩いて腹空かせ」
新開「いいねー」
4人が歩く隣の道路。
黒い車が通りすぎます。
その運転席には井尾谷の姿が。
『◇同じ地にいるはずなのに…。待宮の想いは届くのか!?』と綴られ、今月の夏休み4はおしまいです。
井尾谷、夏休み1でとても忙しい様子は分かりました。
でも、返事くれ~!!って。思いますよね。
二人のすれ違いっぷり、なんだか切なくて。渡辺先生、こういうの上手いなぁと思ってしまいます。
井尾谷の仕えている社長、話を読む限り、すごくいい人なのです。
自分は軽自動車が好きだが、そういう気持ちは封印して、あえて高そうな車に乗って、ぴしっとスーツを着て、高そうな時計をして…という外見なのは、全て信用の為なのだとか。
そうゆう外見で信用してくれる人が一定数は居るからだそうです。
人は皆、機械の事はすぐ信じるけれど、なかなか人を信用してくれないのだと。信頼関係を作っていくことの大切さだとか、語っています。
社員とその家族、3000人の命を背負っているという覚悟も垣間見れる、とにかく素敵な社長さんです(こんな上司のいる会社で働きたい!)
その人のもとで働いているのだから、きっと井尾谷も、今日は走ってこい!みたいに言われ、最終的には一緒に『とびしま自転車ライド』走っているのではないかなぁと思います。
腐女子的には、もし待宮にカナちゃんがいなければ絶対カップルにするところなので。
バリっと腐女子な私的にはちょっと残念な気もするところです(カナちゃんごめんね)。
ただ、今回のこの広島旅、新荒カップルが、アツいんですよ!
詳しく書いていない、夏休み2の部分なのですが。荒北が新開を駅までお迎え~から始まり、再会したとたん、『バキュン封じィ!』とか荒北がやってまして。
新開がバキュンポーズをするのを察知し、先に防ぐってものなのですが。
私にはもうカップルがイチャイチャしているようにしか見えない!
今月の駅前の店での会話なんかも、二人の世界が出来上がってて最高でした。
夏休み編は新荒推しの方にとっては間違いなく神回の勢いだと思います( ´艸`)
それからもう一つ、詳しく書かなった夏休み3での話なのですが。
荒北が漢字の『八』と『十』が縦に書かれたTシャツを着ているんです。
それ、途中でドリンクをこぼして濡れてしまい、荒北が『野獣Tシャツ、ビショビショだヨ!!』とか言うのですが、そこで、他3人が『あ…八(ヤ)…十(ジュウ)…そうだったんだ、それ…』って気づくシーンがあるのです。
そこがもう~最高に面白くて。めっちゃ笑いました。
東堂の「8」のTシャツといい、かわいすぎですよね。
センス大好きです(*´▽`*)
スペアバイクは本当に私の大好きな世代が中心なので、読んでいて幸せな気持ちになります。
月一回ペースなのが残念ですが。渡辺先生、多忙ですもんね…。
描いてくださってるだけでありがたい!
夏休み編の続きも気になりまくりですが、東堂と巻ちゃんの話の続きですとか、本誌で卒業した手嶋の代のメンバーがどの大学に進んだかとか、気になることはてんこ盛りです。
月に一回ですが、スペアバイクの続きも楽しみにしています。