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珍しく、映画のお話。『感染列島』と『藁の盾』から考えるあれこれを……

朝の通勤時、人がぐっと増え、すっかり満員電車が復活したなと感じます。
娘達の通う小学校では分散登校も終わり、給食が始まっていますし。
以前と同じではないものの、日常が戻りつつある。
そんな感覚が生まれてきます。
しかし、まだまだ感染者は確実に出続けている事実もあるわけで……
油断してはならないと自分に言い聞かせている日々です。

土曜日、珍しく日曜が休みだった主人と(普段の日曜は仕事です)、子供達が寝た後、映画を見ました。
観たのは『感染列島』です。
コロナの事がありますから、気になっていた作品でもありますが、同時に、あまりにタイムリーな作品の雰囲気に、今までは観る勇気がなかった作品でもあります。

見終えた感想と致しましては、まさにコロナです。
これはまだ今の段階で見てしまうと、人によってはメンタルに再び大打撃を受けかねないと思いました。
なので、その辺が心配な方には正直、今はまだお勧めできません。
しかも映画で出てくる未知のウィルスは、感染した場合の症状がけっこうエグいので(表現悪くてすみません)、見ていて恐ろしさも増します。
瞬く間に感染が広がり、病床がパンクする様子は海外では既に起こっていた出来事ですし、日本でもまたいつそのような状況に至るか分かりません。
私はかなり暗い暗い気持ちになってしまいました。
ただ、再び気持ちを引き締めるのに良い契機となった感覚もあります。
改めて、自分の為、自分の大切な人の為、そして皆の為に、先ずは自分の出来る感染症対策を確実にやろうという気持ちが強まりました。

また、この映画の魅力は、コロナ禍との比較だけでは語りきれません。
悲惨な環境下でも希望を捨てず、自分の身を危険にさらしながらも患者を救おうとする医療従事者の方々の姿が胸を打ちました。
登場してくる人物それぞれに深く考えさせられるドラマがあります。
思わず涙がこぼれたシーンもありました。
そして!映画に出演している妻夫木聡さんがかっこ良く、檀れいさんはめちゃくちゃ美しいです。
私は二人とも大好きな俳優さんなので、実はその点も観るきっかけになりました。
結果的に期待を裏切らない、観て良かったとも思う魅力があったと思います。
繰り返しますが、タイムリー過ぎるので。
現実と映画の内容がリンクし、コロナまで必要以上(?)に怖くなってしまう可能性があるので、注意は必要です。
今だからこそ観たい映画ですし、逆に今だからこそ観れない映画だなと思いました。

さて、冒頭から珍しく映画の話を綴らせてもらいましたが、実は私、最近、驚く程アニメを見ていませんでした!
普段ならアニメばかり見ている私なのに……自分で言うのも何ですが、珍しい事です。
そもそも緊急事態宣言中、出社の回数が減った為、子供達が寝ている時間が自由時間にならず、仕事時間になってしまっていたのが理由でした。
たまにふと自分の時間が取れそうな時、せっかくだから……と映画を観ていたのです。
短時間で一話見れるアニメでなく、まとまった時間だからこそ映画を選択していました。

ちなみに我が家の映画事情は、子供達がいるとアニメ、主人と二人だと洋画になります(感染列島は久々の邦画でした)。
私はふと出来た一人の時間には、一人の時でないと観れないような映画を選択して観ていました。

最近いくつか観た中で一番印象に残ってしまったのは、『藁の盾』という映画です。
印象に残って“しまった”と書く程、衝撃的で、見終えた後も、深い問題点が脳内を埋め尽くしてしまい、しばらく寝れなくなってしまったくらいです。
2013年公開の映画ですし、もう何回か地上波でも放送されているようなので、ご存知の方も多いかもしれません。

映画の紹介コメントとして載っている程度のストーリーを紹介させて頂きますと、孫娘を殺害された巨額の資産を持つ財界の大物が、新聞に「この男を殺してください。御礼に10億円差し上げます。」という広告を載せます。
身の危険を感じた犯人は自首するのですが、彼の出頭した福岡県警から警視庁に移送させる間も、様々な人、日本中の人から犯人は狙われます。
そんな犯人を守る為に護衛についたSPが主人公。
人間のクズと言っても過言ではない犯人を命懸けで守る事に価値はあるのか。
そう問い続けられる映画です。

この作品、自分の中にある、善悪、正義、倫理、頭で分かっていても押さえきれない感情が吹き出してくるような映画でした。
沢山の問題提起がなされる映画で、私も例外ではなく、様々な議論が頭の中で繰り広げられました。

私か先ず浮かんだのは死刑制度の賛否についてです。
そもそも死刑制度については、この手の残忍な事件を扱った作品を見ると必ず頭を過る問題だったりします。

私は大学生の頃、特に刑法が好きで専攻していたのですが、死刑制度の事は友達とも議論になりました。
冤罪の危険性、国が人の命を奪ってはならないという考え、様々な意見はもっともで、世界的に見ても死刑の残っている国は数少なく、日本はそのひとつ。
そう考えていけば死刑制度反対という結論に容易にたどり着くでしょう。
しかし、それでは救われない、例えば被害者遺族のような方の気持ちを考えると、問題は簡単ではありません。
ここは本当に難しい問題です。
もし、死刑を廃止するなら、それに代わる最高刑、本当の終身刑を設ける必要があります。
今の日本の制度では、仮釈放のある無期を終身刑と解釈していますが、いくら仮釈放が難しいとはいえ、やはり仮釈放がある以上は、その無期は終身刑じゃないかという考えに賛同します。
本当の終身刑を設ける事も、死刑制度の有無とは切り離せません。
私は法律を整備した上でなら死刑廃止に賛成ですが、今の法律のまま死刑だけ無くすのは反対の立場をとっています。

死刑制度について語ってしまったついでにもうひとつ……
私は、『藁の盾』という映画を見ていて、メーガン法という法律も思い出しました。
メーガン法とは、性犯罪者登録法の俗称です。
性犯罪の再犯率が他の犯罪について比べて極めて高い事から、刑務所から出てきたあとも、その元性犯罪者の情報を地域で共有するというもの。日本にはありません。
なぜメーガン法と呼ばれるかは、メーガンちゃんという子が犠牲になった事件からこの法律が生まれたからです。
このような法体制の整備は、受刑者の社会復帰の道を閉ざす事になってしまったり、人権侵害にあたるとする意見もあります。
確かに最もな意見です。
ただ私は、大学の時にこの法律を学んだ時、その大胆さに驚くと同時に、有効性を考えると、あっても良い法律だという考えに至りました。
特に小児に対する性犯罪は常習性、反復性が高いというデータがあります。
メーガン法と呼ばれるきっかけとなったメーガンちゃんの事件が然りです。
そのような事実を前にすると、導入の議論をする事は必要なのではないかと思っているのです。

今回はいつもと違う、つまらない話題を延々と書いてしまいました(すみません)。
『藁の盾』を観たらつい、死刑があって良かった、メーガン法があれば良かったのにと思ってしまったからであります。
ものすごく反発を買いそうな事も書いてしまってますし、議論するには今の私は知識が乏しすぎるのですが。
何も博学者でなくても意見を言うのは自由だと思うので綴ってしまいました。
この手の事、考える事は好きなのです。
考えていると、行き着くところにある自分の本音が、建て前と違っていたり、別の議論をした時とあべこべな立場になっていたり。
自分の中の矛盾も見えてきます。
結局私はその時の気持ちに左右されやすく、身内贔屓なところがあるんですよね……
自分の立場をきっちり貫ける方はすごいなと思っています。
映画、『藁の盾』の主人公はそうゆう意味では私と正反対だなと感じました。

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