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エレベーターを卒業!

我が家の下の娘(5歳)が通う保育園は電車で数駅行ったところにあります
その保育園の最寄り駅は、ホームのある階が一階。改札は地下です。
ホーム階から改札階まで、階段かエスカレーターかエレベーターで降りる事になります。
階段、エスカレーター、エレベーター。どれを使うか……今日はそのお話です。

下の娘が保育園に通い始めたのはまだ0歳の頃でした。
現在は小学生ですが、当時同じ保育園に通っていた上の子(当時3歳)を連れ、朝、人々の行き交う駅を安全に通過するために、私は改札階まで降りるのにエレベーターを選択しました。
上の子だけの時は、むしろ歩かせようとエスカレーターでもなく、階段を選択しておりましたが、連れて歩く子供が二人になった時、エレベーターに切り替えたのです。
その時選んだホーム階から改札階へ行く経路、エレベーターを利用するというのは、やがて習慣となり、残ってしまっていました。

私と娘がいつも電車に乗る辺りは、保育園の最寄り駅で降りると、ちょうど近くにエレベーターがある位置となっています。
朝、電車を降りると、何人かが、わさわさ~とエレベーター周辺に集い、乗って行く。
私と娘もそのうちの一人。
エレベーターの中では、ほぼ毎朝お会いする方もいらっしゃいます。
名前は知らねど顔見知りといった感じです。

最近、よく使っているそのエレベーターが少し、混むようになってきました。
そこでふと気付いたのです。
もう私はエレベーターを使うべきではないのでは?と。
エレベーターを使い始めた頃は、小さな子と抱っこひもの赤ちゃんを抱え、エレベーターを使っても良い状態だったと思います。
毎日の事でしたので、何の考えもなしに、そのまま月日を重ねてしまっていました。
気付けばあの時は赤ちゃんだった娘はもう5歳。
私たちはもうエレベーターではなく、階段かエスカレーターを利用すべき存在になっていたのです。
ただ、言い訳のようなのですが、長く続いた朝の習慣で、ついエレベーターの方に向かってしまうのです。
乗れるなら~と、利用してしまう、そんな日々が続いていました。

そんなある日……今から少し前の出来事です。
その日のエレベーター付近はいつにもまして人がいました。
これだと乗れないかな?今日は階段、エスカレーターの方にまわろうかな?
そうと思ったのですが、エレベーターが来て、待っていた人々が乗り始めてみると、どうやらギリギリ乗れそうです。
私と娘は一番最後にぎゅいっと乗ってしまいました。
「乗れたね~」なんて小声で娘に語りかけつつ、閉まりゆくドアの方を見た時です。
私には見えてしまったのです。
目の不自由な女性が、杖で道を確認しながらエレベーターの方へ向かってくる姿を。
はっとしました。
このエレベーターを開けて、彼女も乗せるべきだと思いました。
でも、一瞬躊躇ってしまった。
躊躇ってしまったから。エレベーターのドアは完全に閉まり、やがて動き始めてしまいました。

その時、私がドアの開けるボタンを押すことを躊躇った理由。
自分でも分かっています。
もうエレベーターはいっぱいだったから。
でも、次の瞬間、気付きました。
彼女の方がよっぽどエレベーターを必要としている方。
私と娘が降りてでも彼女が乗るべきだったのだと。
後悔の念に駆られるとはまさにこの事です。
あの時、すぐに開けるボタンを押せばドアは開ける事が出来事たはずです。
なぜ自分は手を伸ばして開けるボタンを押さなかったのか。
なぜ自分が降りて、その女性に譲る事が出来なかったのか……

私はその女性を以前も見かけた事がありました。
一回ではありません。
たまに見かける方なのです。
見かけた時、それはやはりエレベーターで、その時は一緒に乗り合わせていたのでした。
彼女はいつもエレベーターを使用して改札階に行くのです。
だから私は彼女がエレベーターに向かっていると分かったのです。
そして彼女は、私達なんかよりよっぽど、エレベーターを必要としている方のはず。
私達はエレベーターじゃなくても良いのに、私達がエレベーターを使って先に降り、彼女を待たせる結果となってしまった……

私は、自分がなんて酷い事をしてしまったのだろうと、言いようもない罪悪感でいっぱいでした。
駅から保育園へ向かう道も、ひたすらその事で頭がいっぱいになってしまって。
他の会話なんて出来なかったので。
娘に理解出来るかは謎ですが、ママは今とても後悔しているんだと、エレベーターを降りるべきだった事を語りました。
そして、もしも、次に同じ様な事が起きたら、その時はこんな後悔をしなくて済むような行動をしようと、深く心に誓いました。

そして今日!運命かと思うくらいに、全く同じ様な状況になったのです!
若干混み合うエレベーターの最後に私と娘が乗り込み、ドアが閉まろうとしている時、あの女性がこちらに歩いて来ているのが見えたのです!
閉まりかけたドア。でも今、開けるボタンを押せば、ちょうど彼女がこのエレベーターの前にくる。
今度こそ!と、私はドアの開けるボタンに手を伸ばしました。
閉じかかった扉を開け、娘の手を引いてエレベーターを降りる事が出来たのです。
私がエレベーターに乗って欲しかったその女性は、見えていないからでしょう、エレベーターの前まで来ても、ドアの脇のボタンの前に立ちました。
エレベーターを降りた私は、彼女に「今、乗れる状態ですよ」と声をかける事が出来ました!
女性がエレベーターに乗ると、エレベーターはちょうどいっぱいになるくらいだったので。
私と娘はエスカレーターや階段のある方へとまわり、改札階へと降りたのでした。

今日のエレベーターに居合わせた他の方にしてみれば、ドアが閉まり、さあ動くぞ!という時に再びドアを開けられ、動きが後れてしまった、若干迷惑と感じる場合もある行動だったかもしれません。
それでも私は、前回とっさに出来なかった行動が出来たことが嬉しくてたまりませんでした。
悔しまくった前回と、全く同じシチュエーションに遭遇出来たこと。
何か運命のような、不思議な感覚でいっぱいです。

そこで、思いました。
今日でエレベーターを卒業しよう!と。
結局ずるずるエレベーター習慣を続けていましたが、もう~私達は階段かエスカレーターで十分なのです。
ついつい乗れそうだから…と乗ってしまっていましたが。
今日の出来事を機に卒業宣言、したいと思います。

ちなみに……こんな書き方をしていると、エレベーターを使用してはいけないみたいに感じてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが。
私は決してそんなつもりではありません!
私は電力の問題は棚上げで、使えるものは使っていいと思ってるタイプですので(ごめんなさい💦)

ただ、下の娘はあまりにエレベーターを使う事に慣れすぎてますし!
良い機会なので、少し歩こうと思ったのでした。

ずるずる続いていたエレベーター習慣、 来週から、変わってみせます

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